神の手
2005年 12月 30日
第1作が出たのは1990年で、以後すべての作品を読んでいるのだが、数年前はちょっと筆が落ちたことがありありとしていた。
違う主人公のシリーズにも手を出してはみたものの、あまり受けなかったので、検死官シリーズをさらに続けるために、主人公の検死官ケイ・スカーペッタを、2作前からだったか突然5歳くらい若返らせた。
今は全米法医学アカデミーに勤務している。
亡くなったかと思われていた恋人のベントン・ウェズリーも復活。
原題はPREDATORで、元来は生物学用語で捕食者の意味。
以前、同じタイトルのSF映画があったので、日本語版タイトルではそれを避けようとしたのか。
この原題は、連続殺人事件の犯人という意味であるだけでなく、Prefrontal Determinants of Aggressive-Type Overt Responsivity「脳の異常に攻撃性の原因を求めようとする研究」の略称にもなっている。
物語の中では、 ハーバード大学の医学部付属マクリーン病院の認知ニューロイメージング研究所で密かにこのプロジェクトが行われていることになっている。
邦題の「神の手Hand of the God」は殺人事件に関係のある人物のあだ名であり、略してHog(豚)とも用いられている。
読み終わってみると、これはこれでタイトルに相応しいと思われる。
ミステリー本のことを紹介するのは難しい。
筋を話したら読者に失礼だ。
パトリシア・コーンウェルの作品を読み続けているのは、たぶん調査手法などが最新の技術を用いていたり、犯罪の方もITを駆使したりしているところに現代的なリアリティーを感じるからなのだと思う。
人物描写はそれほど上手いとはいえないし。
でも、次作も予定されていることがよく分かる「いかにも」な伏線があちこちに引かれていた。
やれやれ、きっと次も読んでしまうことだろう。
作者や出版社の思うつぼだ。














