7月20-23日の日程で第40回日本神経科学大会が幕張で開催されています。思ったより幕張が涼しいと感じたのは、ホテルから幕張メッセまでの道に海からの風が吹くからかもしれません。この学会は神経科学・脳科学の基礎系を中心とした研究者が集まります。10年ほど前から英語化を進めており、教育講演・シンポジウム以外は基本、英語での発表。ポスターのテキストも英語です。お手本にしているのは北米神経科学学会(通称SfN)ですが、規模はSfNが3万人超えの参加者なのに対して、10分の1余くらい。でも、遺伝子からAIまで、神経系の研究のかなり広い範囲をカバーしている学会です。
この学会に関係していくつかの賞がありますが、このたび、故ジョセフ・アルトマン先生を記念した賞ができました。アルトマン先生は1960年代に「生後の脳でも神経細胞が生まれる!」ことをラットで発見された方。その後、あまり注目されない時期もありましたが、1990年代の後半には、皆がこぞって研究を始めるようになりました。2012年には、昭和天皇の在位60周年をお祝いして設立された「国際生物学賞」を受賞されています。
さて、その第1回目のアルトマン記念発達神経科学賞の受賞者は、新学術領域で計画研究代表者として活躍して頂いている今吉格さん@京都大学となり、大会期間中に授賞式と受賞記念講演が行われました。神経新生を自在に操るテクニックをいくつも確立され、素晴らしい成果を挙げてこられた方で、まさに受賞に相応しい方です。おめでとうございました!