性別の呼称について

昨年12月19日のエントリー「ジェンダーは必要か?」に対しては、このブログとしては珍しく、たくさんのコメントを頂きました。
ここ数日GHさんという方から頂いたコメントにレスポンスしているのですが、理解が平行線のようなので(それとも、ねじれ?)、再録してみたいと思います。
(ここから引用になりますので、コメントまで見ておられる方は飛ばして下さい)

まず、元エントリーでコメントが付けられた箇所は以下になります。
(前後については、元エントリーを参照して下さい)

上野氏は「文化的な性差は中間項の存在をゆるさず、男でなければ女、女でなければ男、と排他的な二項対立のいずれかに、人間を分類するのである。」と述べておられるが、「オカマ」や「ゲイ」という分類は立派に文化的な分類であって、生物学的には、染色体レベルや肉体的レベルでは「男性的」と分類されるだろう。
生物学には明確な基準がある。
ただし、「脳の性差」においてはその嗜好性が通常の男性とは異なると考えられる。
その理由はまだ不明である。


これに対して、以下のようなやりとりになりました。
Commented by GH at 2006-01-13 12:26 x
>[オカマ」や「ゲイ」という分類は立派に文化的な分類

文化的に蔑まれた分類をされることが問題なんですよ。わかってませんね。

Commented by osumi1128 at 2006-01-13 13:11 x
GHさん
「オカマ」や「ゲイ」が蔑まれた分類である、というご指摘でしょうか?
私にはそうは思えないのですが。

Commented by GH at 2006-01-13 14:17 x
先生は職場に同性愛者がおられたら、平気でオカマと呼ぶわけですね。

文脈にもよるでしょうが、公的な場で人をオカマと呼べば訴えられても仕方ないと思いますよ。


Commented by osumi1128 at 2006-01-13 16:02 x
GHさん
職場に同性愛者がいて、その人を「オカマ」とも「ゲイ」とも呼ぶことはないと思います。
その人を「男」「女」とは呼ばないのと同様ではないでしょうか?
その方には名前があるわけですから、その名前を呼ぶのだと思います。
あるいは、もし、誰かとの話でその同性愛者のことを「彼」とか「彼女」などと三人称で呼ぶ必要がある場合には、可能であれば本人がどちらと呼んで欲しいかを聞いて、そのようにしたいと思います。

Commented by GH at 2006-01-14 02:33 x
はぐらかしですね。
その人の性別を言ったり書いたりする機会はあるはずです。そのときにオカマと呼んでも平気だと先生はおっしゃってるんですよ。


職場で、誰かの性別を言う機会とはどんな場合でしょう?
面と向かって、「あなたは女性です」とか、第三者に「○○さんは、男性です」と言うケースがあるでしょうか?

性別を書く機会は沢山あるでしょう。
さまざまな雇用関係の書類には「男性」「女性」にチェックを入れるような書式になっているものがあります。
ただし、これはもっぱら本人が書くような書類であって、他人が書くものではありません。
さて、ではどのような機会に「オカマ」や「ゲイ」と書く機会があるのでしょうか?

上記にも述べましたように、私のスタンスは、本人がどちらの性として扱ってほしいか、に従って、染色体レベルの性とは別に、その人を男性として、あるいは女性として接したいと思っています。

私の関係する神経関係の関係で、Barbara某という研究者がいました。
海外の学会でその方に初めてお目にかかったとき、ずいぶん男っぽい女性だな、と思いました。
次の年の学会で、同じ方に会ったら、髭が濃くなって女性的な男性のように見えました。
名札を見るとBen某と書かれていました。
後で、他の方から聞いたところによると、正式に性の変更手続きをし、ホルモン投与を続けているとのことでした。
その方とは直接お話ししたことはありませんが、周りからも男性として扱ってほしいのだと思います。

その研究者は一流の研究をしている方です。
別の学会には、噂ではレズビアンという女性の外国人研究者がいました。
その方は、名前は変えず、女性であって、でもご本人の性的志向性は、男性よりも女性を好まれたのだと思います。
ゲイだと言われている外国人男性研究者もいました。
まだ、日本の場合はカミングアウトする方が少ないこともあるのだと思いますが、同性愛の志向の方は知りません。

私はアメリカのテレビドラマのDVDを見るのが好きなのですが、その中にはゲイの男性がよく出てきます。
典型的には、お洒落で気が付くタイプとして描かれていることが多いようで、女性とは良い友達関係を築けるように扱われています。
もちろん、その相手の男性は、ストレートの女性から見てカッコイイ男性(ドラマですから)であることが多く、残念がっている、というパターンがよくあります。
そういえば、先日イギリスでも同性同士の結婚が認められ、ジョージ・マイケルが2006年中に結婚する、というニュースが流れていましたね。

きっと、頭の固い議員さんたちは「同性同士の結婚など認めるのはケシカラン!」と言いそうで(夫婦別姓でさえ難航している国ですから)、日本ではどういう方向になるのかまだ分かりませんが、個人的には規制緩和すべきだと思います。
by osumi1128 | 2006-01-14 17:07

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