テニュアトラックほか
2006年 02月 02日
乾燥指数が減って、インフルエンザ対策には朗報でしょう。
でも、出張先での雨は滅入ります。
午前中は男女共同参画学協会連絡会の運営委員会を主催してきました。
理系とはいっても、物理系、科学系、生物系・・・いろいろな学会からの方々の集まりなので、いろいろ議論は紛糾もします。
とにかく、今年度も「女子高生夏の学校」には関わることになりました。
いずれこのブログでも、ボランティアの方を募ったりしたいと思っています。
ところで、昨日までの国際シンポジウムに海外から参加されていた日本人PIの方から興味深いお話を伺いました。
その方は私よりもさらに下の世代になりますが、東海岸の大学でテニュアトラックのポジションに着いておられます。
その大学では、テニュアトラックではないポジションの方が多いとのことでした。
「テニュアトラックではない、というのはどういうキャリアパスになるのでしょうか?」と伺うと、「一応、少しずつ名前を変えたポジションに上がっていくのですが、テニュアトラックの方よりも義務や評価が厳しくないというポジションです」
とのことでした。
曰く「テニュアトラックというのは<ストレスの多い人生を歩みたい人>向けのコースと考えられていて、そうでない選択肢もあるということですね」
なあんだ、アメリカは競争社会だといっても、ちゃんとそういう多様性のあるポジションが用意されているのだ、というのは、もしかしてそうなのかな?と思ってはいたのですが、実際に伺うことができて良かったと思いました。
これから大学にテニュア制度を設計する際に、いろいろな事務処理などが複雑になっても、多様な選択肢を得られるような方向を考えるべきだと納得することができました。
「任期制導入」にしろ「競争的資金増加」にせよ「テニュア制度」にせよ、これらが押しつけられるようになった根本には、「国立の研究機関にいる理系研究者は、何をしているのかわからず、税金を無駄遣いしている」と見なされていることがあるのではないか、というのは、私の考えすぎでしょうか?
どうも根っこのところには、そういう不信感のようなものがあり、それは理系(とくに生物系)研究者コミュニティーが説明責任を果たしてこなかったせいなのではないかと思えてしまうのです。
・・・新幹線に乗って戻ってきたら、福島あたりから雪。
仙台もそこそこ積もりました。