Nobel Prize Dialogue Tokyo 2018に行ってきた

7年前に東日本大震災が起きた時間、横浜で黙祷を捧げました。Nobel Prize Dialogue Tokyo 2018という科学アウトリーチイベントが日本学術振興会とノーベルメディア(ノーベル財団のメディア専門部門)の主催により開催され、ちょうど午後のセッション2つめの開始時間に当たっていました。2015年の開催時にパネリストとして参加しましたが、2017年のテーマが人工知能、今年は「The Food in Future」がテーマとなっていました。

最初の登壇者が大隅良典先生。オートファジーはタンパク質のリサイクルの中心的な役割を担うので、今年のテーマにもふさわしい内容でしたが、なにせ15分のみ、というのが短すぎな感もあり。まぁ、一般市民が長い話にどれだけ付いてこられるかということを考えると、エンターテイメントとしての科学アウトリーチ的には、短い対応も必要なのでしょう。
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「ダイアログ(対話)」を中心としたイベントなので、パネル討論がいくつも開催されていましたが、こちらもそれぞれが倍の時間で聞きたかったですね。原山優子先生や長谷川眞理子先生、藤垣裕子先生がモデレータでご登壇。(これって、日本の男性研究者はモデレータに向いていないってことなのでしょうか?)

開会式では林芳正文部科学大臣もスピーチされ、ご自分で加えたと思われる部分含めて流暢な英語で好印象。都内に戻られた後に夕方の交流会にもご参加になり、本日からの第10回HOPEミーティングに参加するアジアを中心とした各国の学生等とも話されていました。ノーベル財団関係者含め、外国人参加者にとっては高円宮妃久子殿下にご臨席頂いたこともプレシャスだったのではと思います。一言、辛口のコメントを付け加えるとすれば、「今後、世界で100億人の人々が食べていくにはどうしたらよいか?」という議論も為されたイベントとして、交流会のお料理が余っていたのは、ちょっと残念……。

2月末の発表では、いまだに7万人を超える避難者がおられるとのこと(復興庁発表資料PDF)。7年前に「生かされた」気持ちを忘れずに自分に課された仕事を続けていきたいと思います。

by osumi1128 | 2018-03-12 07:48 | 科学 コミュニケーション

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