ポスドク問題の元

1月25日のエントリーポスドクのキャリアパスについてや、テニュアトラックほかには、たくさんのコメントを頂きました。
これらの問題が大きいことを表していると思います。

いつも読んでいる5号館のつぶやきさんも最近失業した助手?というエントリーを立てておられました。

少し前にどなたかから、ポスドク問題と言うけれど、社会的には「ニート」の方がずっと大きな問題である、というご指摘を受けたことがあります。
このことについては、ニートの問題はさまざまな社会要因が複合的に重なっているのに対して、「ポスドク問題は人為的であることがはっきりしている問題である」ことをもって反論したいと思っています。

1996年に第1期科学技術基本計画の中で「ポスドク1万人計画」が打ち出されたのは、90年代に入って進行した「大学院重点化」による大学院生定員増加を受けてのものであり、さらに即戦力としてのポスドクを必要としていた現場の研究室があったからです。
「大学院重点化」は、子供の数がやがて減る→大学に進学する学生の数も減る→教員の数も減らそう、という大蔵省(当時)に対抗して予算を減らされないようにするために、文部省(当時)が編み出した作戦だったと思っています。

初等中等教育の場合も同じなのですが、本当は一人の学生を育てるには手厚い指導が必要であり、戦後復興期の状態でははなはだ手薄で問題だ、という正論を通せなかったことに大きな誤りがあるのではないでしょうか?
大学生の数がやがて減る、だから、大学院生の定員を増やして、その教育に当たることにして現状を維持しよう、という発想が安易だったように思うのです。
当時私は助手くらいの頃でしたから、あまり物事が分かっておらず、全国で先生方が「重点化」に右往左往しているのを眺めていました。
○○大学も重点化したから、うちもしなければ乗り遅れる・・・といったような、まるでオイルショックの頃にトイレットペーパーを買い求めて走り回ったような騒ぎでした。
本来、大学院など作っても仕方ないような大学まで「悲願」のように重点化を目指したのは、日本人独特のメンタリティーかもしれません。
あっという間にバタバタと大学院ができたのは、日本だからこそなのでしょう。

日本が科学技術立国を目指すのであれば、現状の大学院生やポスドクの数というのは決して余剰であるとは思いません。
足りないのは、彼らを指導する教員の数であり、ポスドク後のポジションです。
先日、とある資料で「やっぱり」と思ったのは、アメリカのワシントン州立大学の医学部は東北大学と同じ程度の学生の数であるのに対し、教員ポストは約3倍いるということでした。
ハーバード大学医学部に至っては、さらに多くの教員ポストがあります(私学ですし、あまり比較の対象にはなりませんが)。

ニートと違い、ポスドクというポジションを国が作ったことははっきりしているので、少しはその受け皿になるポジションを用意すべきだと私は思うのです。
具体的には、官公庁や関連団体で、専門的な経験を生かせる活躍の場があるべきだと考えます。

急に数を増やしていて最近気になるのは薬学部です。
今年は全国あちこちで新設されています。
6年生の臨床薬剤師を増やすことは総論としては良いことだと思うのですが、また後で「就職先がない」という問題が出てくるのではないでしょうか?
Commented by Y at 2006-02-11 02:34 x
国におんぶに抱っこの日本の大学と異なり、アメリカの大学は自分で稼ぐ力を持っています。だからポストを増やせるのです。
Commented by Ryohei at 2006-02-11 03:21 x
日記にも多少書きましたけど、私の考えでは、教員が少ないのではなくて大学院生をとりすぎです。ワシントン州立大学は超巨大な大学ですし。。。Dukeのうちの学科は、24人の教員で年間5-10人くらいの学生を教えます。大学院のトレーニングの質が高ければ、ポスドクはそれなりに幅広い知識をもち一人で研究を遂行でき国際誌に論文をかく程度の実力がついているべきでしょう。そんな人は民間にも就職先があると思います。

いずれにしても、ポスドク後の就職先を国に面倒みてもらうのは、難しい気がします。PIの数を増やすだけのスペースとお金と設備があるのでしょうか(あれば問題ないんですけどね)?ポスドクが全員教員になるようなシステムをつくるのは絶対に無理です。ポスドクの待遇を改善し、長く研究を続けられるようにする可能性はどうでしょうね。
Commented by sak at 2006-02-11 04:27 x
キャリアパスの多様性ということであれば、PIにならないという選択肢もあってしかるべきかと思うのですが。生涯一職人、のように、生涯一ポスドク、のような。

現在ポスドクの私自身、何が何でもPIになりたい、ならなければならないとは考えていません。
ポスドクはともかく、学生さんの指導に当たるというのは、その人の人生を左右しうる立場だと思うのです。
教育法やラボマネージメントの能力を学ぶ機会もないまま、そんな立場に立たされるのは怖いですね(少なくとも私の感覚では)。
Commented by NH at 2006-02-11 04:28 x
アメリカでは(少なくとも医学生物系では)、大学院生数より教員数の方が多かったり同じくらいいたりする(少なくとも日本の一部の大学に存在するような極めてアンバランスな状態はないように思う)ので、どう考えても、学生は日本よりも質の良いトレーニングを受けられます。しかしながら、アメリカにいて思うことは、まわりを見渡すと、日本で博士号を取得した人も十分能力があるような気がします。なぜ、サイエンスの面で日本がアメリカに先行されているのか分からなくなることしばしばです。個々のレベルでは決して負けてはいないよう思えるからです。となると、やはり、日本のアカデミアに存在するシステムが足枷になっているように思えてなりません。良い人材を育てていくため&よりよいサイエンスをしていくためには、よりよい教育研究環境/システムが必要なのは当然のことでありましょう。有望な人材を海外に流失することのないように、そして、日本でサイエンスを発展できるように、日本はシステムを変換する時期にあると思います。ポスドク問題は日本のアカデミアに存在する問題の、いわば、氷山の一角であると思います。
Commented by T at 2006-02-11 08:59 x
NHさんに賛成です。個人レベルで見ると、(所属した研究室の教育体制によりますが)日本で大学院教育を受けた方でもアメリカのサイエンスで十分通用するレベルを持っている人がいます。ただ、全体レベルでみると、やはりシステムの違いを実感します。例えば、アメリカではすべての大学院生がポスドク終了後アカデミックに残りませんが、カリキュラムとして研究グラントを書く練習を本番形式でやらされます。私が現在PIとしてグラントを書く側からみると、これはサイエンティストとして研究を深く論理的に考えるのに非常に良い訓練になっていると思います。
Commented by inoue0 at 2006-02-11 10:40
こんにちは。五号館のつぶやきから飛んで参りました。
薬学部問題については、以下の東京大学大学院薬学系研究科教授松木則夫氏が的確な問題提起をしていますので、ご覧ください。私が断片的に聞いている話と完全に符合しており、信憑性はきわめて高いと思います。なお、松木教授の所属している東大薬は4年制のまま残留することになり、薬剤師養成からは、ほぼ手を引きました。賢明な判断でしょう。
http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~matsuki/
Commented by ろれ at 2006-02-11 11:46 x
このエントリーと5号館のつぶやきさんへのコメントを読むと、nosumiさんの論点は、ポスドクの就職先の問題と大学のシステムの問題とに議論が分かれているような感じですね。前者には、技官などのテクニカルスタッフや大学雇用のポスドクなどのポストを復活・増加することが望ましいと思います。sakさんの仰るように、PIにならず一生(年収4-500万ではあっても)実験をしたいという人たちも少なからずいるでしょう。後者には、教員のいわゆる「雑用」を減らすような体制(秘書・実習助手などを含む)の充実をしてはどうでしょう。どちらも大きな予算措置が伴いますが、(「教員数に対する学生定員」の見直しという法改正をして)大学教員の数を増やすことより、どちらもずっと効果的であり、経費も安いと思います。
Commented by MY at 2006-02-11 12:24 x
生命科学系の具体的な問題として、私が思うのは、教授がポストポスドク問題というのを認識して欲しいということです。例えば、ポストポスドク問題という問題があるのに、大学院生で学位を取った人をポスドク期間なしに、任期なしの助手にするような人事が依然として行われています。いかに優秀な人であってもこれは行うべきではないと思います。ポストポスドク問題が問題という認識があれば、なぜかは明白です。
Commented by MM at 2006-02-11 19:37 x
以前にも投稿しましたが、旧帝大の生物系でも博士課程進学者は減ってきています。すでにこの国は破産状態ですから、これ以上ポストを増やすのは無理です。今のポスドクが失職していけばやがて問題は解決に向かうでしょう。
Commented by post-doc at 2006-02-11 19:40 x
こんにちは。いつも興味深く拝見させて頂いております。

現状であふれるポスドクの行き先については、ろれさんに賛同いたします。ただ、二児を抱えるポスドクとして言わせて頂くと、4-500万では生活できません。特に子供が高校、大学へ行くような頃にその給料では、とても無理です。給与については、普通の国家公務員並みの待遇にするべきです。科学技術立国・ニッポンを担う人材としてポスドクを生み出したんですから、それなりの待遇は保証するべきでしょう。「好きで研究やってるんだから、我慢しろ」というのは、そもそもポスドクを増やした理念とは相容れません。

また、上記を実現するためには、現状の教授を頂点とした講座制は出来るだけ早く廃止するべきです。

Commented by post-doc(続き) at 2006-02-11 19:42 x
また、行政側にポストを作って頂く(?)ことについては、私は違和感を覚えます。どうせ浮いて、持て余されるだけでは?と思います。受け入れる風土も、力を発揮する場も、実際あるのでしょうか。また、70年代中盤生まれの私たちの世代は、年金行政では随分政府の愚策に翻弄されました。私たちが大学に入る頃、丁度学生の納入免除廃止。そして丁度学部を修了する頃、学生特例制度を開始。私たちは狙い打ちにされ、未納期間を抱える世代になりました。こうした部分からも、政府には強い不信感を持っています(私だけ?)。
Commented by 地底 at 2006-02-11 19:50 x
ポスドク風情で子供作るのが間違いなんだよ。
Commented at 2006-02-11 20:22 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by susumu at 2006-02-11 22:04 x
以前の話題の方に関連性が高くて申し訳ありませんが、企業への道をもっと太くすることの方が先決のような気がするのですが。キャパシティが大きいですし。外国では博士号取得者が受け入れられて日本では受け入れられにくい要因の一つに日本人気質があると感じます。外国人の方が自尊心が強く、新しい場所でも臆せずやっていきますし、受け入れる側も日本人的な観点から見るとかなりイージーなんじゃないでしょうか。専門に近いことさえやれればだいたいOKで、日本のようにまわりへの配慮やまわりがこれぐらいやれるべきだと考えるような暗黙の常識を一通りカバーする必要性をあまり求められてない気がします。(続)
Commented by susumu at 2006-02-11 22:05 x
お互いが配慮を求めあう日本人気質に嫌気がさして脱出する人はいいのですが、日本に残りたい人と考える人なら日本の企業が望む能力を持っている方がいいのかなと。もちろん企業が受け入れる姿勢を変えるという可能性も否定はできませんが、日本の企業風土はよくも悪くも伝統的な日本人気質からきてるはずですし、一国の文化として尊重されてもいいのかもと思います。(続)
Commented by susumu at 2006-02-11 22:05 x
でも日本企業が求めるような人材を育てるには、日本の大学院生にも給料という餌をぶらさげないと説得力(強制力)がないのかもしれませんね。やはり日本のほとんどの大学院では学生がお金を払ってサービスを受けにきてるはずなのにという(甘い)意識をはずせないですし。そうなると上のコメントの方達のようにやはり大学院生をセレクトするという方向性にならざるをえないですね。けっきょくグローバリゼーションに向かっていくしかないのでしょうか?
Commented by ろれ at 2006-02-11 22:18 x
post-docさん。
専業主婦のいる家庭が一般的な時代は早晩終わりが来るでしょう。ポスドク同士でも片方がサラリーマンでも、共働きでそれぞれが500万稼げば子供二人の4人家族はそれなりの生活ができると思います。もちろん贅沢はできないでしょうが、そういう方向で人生設計をしている人は多くないでしょう。それに、PIとなって大きな責任をもつひとと同じ給料というわけにはいかないと思いますよ。
また、小講座制の弊害も確かに大きいのですが、完全に撤廃された場合、若手はセットアップもランニングもすべてのコストを自前で準備できますか?ミリQ一式100万、製氷機50万、オートクレーブ50万、冷凍庫も恒温機も数十万です。さらに毎年かかる消耗品をまかなう研究費を取り続けられますか?科研費の審査システムでは、応募者の10-30%にしか研究費は来ません。研究費だけでなく教育も「雑用」も、ラボのスケールメリットというのは確かに存在します。いち早く大講座制を取り入れ、教授も助手もお互いに独立している大学では、若手とベテランが緩やかな連携で持ちつ持たれつの関係を作るなど、少しずつ反省も生まれているのが実態のようですよ。
Commented by sachi at 2006-02-11 23:59 x
「教員が少ないのではなくて大学院生をとりすぎです。(中略)大学院のトレーニングの質が高ければ、ポスドクはそれなりに幅広い知識をもち一人で研究を遂行でき国際誌に論文をかく程度の実力がついているべきでしょう。そんな人は民間にも就職先があると思います。」
という、Ryohei先生のコメントに大賛成です。

聞くところによると、特に日本の生物系では、自分で英語の論文を書いたこともないまま(=指導教官が代わりに書いて)博士号を取得し、高級テクニシャンとして使用されている方がいると伺いました。
そんな話を伺った企業の方が、余剰博士を受け入れるとも思えません。

今ある問題はもちろん解決するべきですが、これから育っていく日本の博士についての議論もしていただきたいなぁと思います。
Commented by osumi1128 at 2006-02-12 00:30
Yさん、Ryoheiさん、sakさん、NHさん、Tさん、inoueOさん、ろれさん、MYさん、MMさん、post-docさん、地底さん、susumuさん、sachiさん、コメント有難うございました。
まず、inoue0さん、松木先生のサイトを教えて頂きましてありがとうございました。薬学部6年制の問題について、大変参考になります。
「教員がすくないのではなくて大学院生をとりすぎ」なのは、国の設置基準がそういう風になっていることに問題があり、そこのところを解決しないと、根本的な問題解決にならないのではないか、という点を指摘しているつもりです。
また、ポスドクのキャリアパスとしてアカデミア以外のところにもっと多く就職すべきであるということは正論であり、なんとかそういう方策を考えなければいけないと思っていますが、行政にPhDの人が日本では非常に少ないのではないかと感じています(まだ手元に統計データはありませんが・・・)。
このことも、日本の科学技術政策が現状に即していないことの遠因ではないかと考えます。
Commented by osumi1128 at 2006-02-12 00:31
(つづき)
また、ポスドク時代に子育てをするのは、実際的に不安な面が多いでしょうから、この点に関しても別の施策になりますが、考えていくべきだと思います。
学会等が圧力団体としてきちんと提言していくべき時期に来ていると思うのです。
Commented by K at 2006-02-12 00:33 x
だから学生とらないと補助金がもらえないから、大学院は定員を減らせないんですよ。
Commented by mogumogu at 2006-02-12 01:17 x
一般企業に勤務している人で、大学卒業時"やりたい"と思っていたことができている人がどれだけいるのでしょうか?企業は利益が最大になるように人員配置します。転勤の辞令がでればそれに従い、不景気の時には営業もします。個々人が"私は研究しかしません"なんて自分勝手を言ってたら成り立ちません。今現在、日本の借金は膨大な勢いで膨らんでいます。儲けを出して積極的に税金を払う側ではない公務員はその一因です。膨大な税金を使い、最高レベルの教育を受けた人がそれに加担してどうするのでしょう?将来も大事ですが今はもっと大事で、この借金をできるだけ少なくして次世代にバトンタッチしたいものです。人間万事塞翁が馬です。研究にこだわらず、いろんなことに挑戦してみてはいかがでしょう?開発でも営業でも大勢で何かを成し遂げるのは楽しいですよ。自分のやりたいことはできていないが今の日本を支えているって思えるのは最高です。この手の話でいつも感じるのですが、自分は変わらず、相手に変わらせようとしているように感じます。
Commented by sak at 2006-02-12 03:25 x
mogumogu様のご意見に基本的に賛成なのですが、国の予算をつぎ込んで作り出したポスドクを、国富のために利用する、という発想もあっていいんじゃないかと思います。ポスドク1万人自体、公共事業で作った高速道路のようなものですから(笑)、

1.使わない道路は予算の無駄なので撤去する
2.せっかく作ったのに使わないのはもったいないので、道路の先に工場を誘致するor観光地を作るなりして役に立つ方法に考える

どっちを選ぶかは政治の問題。その政策にのるかどうかはポスドク個人の問題。
まあ2.は簡単ではないでしょうけどね。そこまで考えて1万人計画立てたわけでもないでしょうし。

ついでながら
mogumogu様>自分のやりたいことはできていないが今の日本を支えているって思えるのは最高です。

「科学技術立国」って、国が科学者に何かしてくれるということだけではなく、科学者・技術者が国を立てていくことでもあるんですよね。給料や研究費を税金からいただいている立場の人が、このことをもう少し意識したほうがいいのではないかとも思います(自省も含めて)。
Commented by mogumogu at 2006-02-12 05:31 x
sak様。言葉足らずの文章で申し訳ありませんでした。誤解を招いてしまいましたかも。
"自分のやりたいこと(=研究)はできていないが、(物作りを通して)今の日本を支えているって思えるのは最高です"という意味だったのですが・・・。ちなみに私は某企業で開発をしております(本当は研究職希望なのですが・・・)。物作りをしておりましてとりあえずは誰かの役に立っているはず(!?)と思っております。

sak様のご意見(「科学技術立国」って・・・)全くその通りだと思います。まだまだ中小企業は厳しい状態と聞きますし、最近私の近所でもラーメン屋のご主人が経営難のため自殺されました。一方、最近その税金で成り立っている大学をじっくり見る機会があったのですがその贅沢ぶりにはびっくりしました(特にバイオ系)。またよく言われているように学生(スタッフも)の質の低下も。

某blogにあります"我らこそ国の礎なり"が私の大好きな言葉です。大学で研究されている方には、税金を使っている意味じっくり考えて研究に臨んで欲しいものです。
Commented by inoue0 at 2006-02-12 11:37
他のスレッドでも散々言われているように、ポスドクが研究室の労働力(研究、雑務を問わない)として役立っているなら、そのまま使い続けてもいいんじゃないかと思います。テニュアを求めようとするから苦しくなるんで、生涯フリーターですごすというキャリアパスがあってもいいでしょう。
 それと、年収500万円あれば、共稼ぎすれば十分に子育てが可能ですよ。子供の進学?それこそ、ご自分の高学歴を生かして、親が教えれば、塾も予備校も要りません。大学は放送大学で十分ですし。大学院だけ奨学金をもらえばいい。
Commented by pospos at 2006-02-12 12:01 x
>給料や研究費を税金からいただいている立場の人が、このことをもう少し意識したほうがいい

教員がまずはそれを示さないと、院生やポスドクに伝わるわけがありませんよね。口先だけではなく。

共稼ぎと簡単にいいますが、勤務地も2,3年で転々として融通も利かない仕事で、配偶者にそうホイホイと仕事はありません。生涯フリーターになれというなら、大学院パンフの進路にもそのように書いておいてくださらないと。
Commented by sachi at 2006-02-12 12:17 x
inoue0様が所属されている医学系ではどうか分からないのですが、「研究室の単純労働力」としてでしたら博士号という資格はいらない気がするのです。。。
たとえば、わたくしの所属している工学分野でしたら、英語もしゃべれない・英語もかけない・プレゼンもできないと「開き直る」ポスドクがいたら困ってしまいます。

博士号、の持つ意味が各分野によって異なっているため、議論が時に成り立たない気もいたします。

でちなみに・・・「年収500万円あれば、共稼ぎすれば十分に子育てが可能」のご意見には賛成です。
市販されてる○○な奥様系の雑誌ですと、家族年収200万円でのやりくり上手さんとかもいらっしゃるので、共稼ぎせずともやってはいけると思います。ですので、ポスドクの年収議論と子育てはあまりリンクしないのではないのかと思います。
むしろ、ポスドクで子育てができる環境(0歳児保育室がまだ足りなーい、とか)が整備されてないことが問題のように思います。
Commented by KLM at 2006-02-12 12:19 x
ポスドクの人も、生活設計を自分の研究計画同様に吟味しなくてはいけません。職がなければ違う業界に行く。会社員がリストラされれば、タクシー運転手だろうが空き缶拾いだろうがするわけです。博士号があれば人並み以上の生活が保証されるべきと勘違いしてはいけません。
Commented by 博士T at 2006-02-12 15:55 x
ここを拝見していると、労働力として大学院生やポスドクを散々利用したあげく、後のことなど知らない、とする研究業界の冷酷な使い捨て体質がよく分かります。ポスドク問題の元はこの体質そのものであるといって過言ではないでしょう。是非とも、修士や学部生にこの一連の議論を読んでおいてもらいたいものです。
Commented by ラボ引きこもり at 2006-02-12 16:32 x
昔の生物系理学博士は職が無いのがあたりまえでした。院試の面接で「君んち金持ちか?」と聞かれたそうです。またその時代に戻ったということですね。
Commented by susumu at 2006-02-12 20:43 x
ポスドクは給料をもらってるんで利用されるのはある程度とうぜんなんじゃないですか?海外ではポスドクは独り立ちのトレーニング期間だと思いますが、日本人は下っ端を使うのが常ですし。問題は逆に授業料を払ってる大学院生まで使われてるところにあるんじゃないでしょうか?もし就職してれば厳しい社会の中で使われ成長して年間何百万円稼いでるはずの20代なかばの人たちが、就職もせず授業料を納めてるわりには受けている教育がおそまつだから将来が先細りになってると感じるのですが。これはあぶれている人たちのことを言ってるわけで、ここにコメントされているようなアカデミアや企業研究部門にすすんでいる一部のできるひとは例外です。できる人には道が残されているなら、後の人たちは自然淘汰されるもんなんじゃないでしょうか。ポスドク一万人計画もできる人をセレクトするときの分母を増やしたということで科学の発展には多少は貢献してる気もします。
Commented by post-doc at 2006-02-12 22:16 x
皆様こんにちは。

給与と育児の点につきましては、皆様にご指摘頂いたとおりで、共稼ぎが出来るなら解決されるかも知れません。ただ、実際問題、まだまだ難しい部分も多いのが現状ではないかと思います。社会における少子化対策とも関連する問題ですが、ポスドクはサラリーマン家庭に比して数年周期で転居を余儀なくされる可能性などもあり、そのたびに妻が育児に理解のある職場を見つけられるかというと、これも大きな問題です。昼間ちょっとパートに出る、といったことは十分可能でしょうが、二人とも500万ずつ、というレベルには届きません。5年後、10年後には改善されると祈りたいですが・・。

もちろん、私個人としては、一方的に受け身で「待遇を改善しろ」とか言うつもりではないのです。私個人はもっと覚めていて、日本のアカデミアは一つの選択肢ですが、しがみつくような気は今のところありません。ろれさんのおっしゃるような、職業ポスドク?を今後維持していくのであればどの位の待遇が必要か、という点で意見をご紹介したかったのです。
Commented by post-doc(続き) at 2006-02-12 22:39 x
国家公務員並みと申しましたのは、教授・助教授手当等を抜いた基本給で考えれば、決して贅沢ではないかな、と思うのですが、やっぱり望みすぎでしょうか?アメリカなどで見た場合に、経験を積んだポスドクやリサーチアソシエイトが6−7万ドル程度貰っているくらいのイメージなんです。一生400万で2-3年ごとに転々とする生活だとちょっとホントにきついですが、6-700万でしたら贅沢せずに十分生きていけるかな、と個人的には思うのです。

ろれさんにご指摘頂いた、ラボの立ち上げ等々の話もおっしゃるとおりで、いきなりゼロからはいどうぞ、といわれても、無理だというのは理解しています。記述スペースの都合もあって、講座制廃止、とだけ書きましたが、大学(院)をどう改革するかということや、科研費に駆け出しPI用のカテゴリーを設けることなど、巨視的に議論するべきだと理解しています。

長文失礼いたしました。
Commented by yamagu at 2006-02-13 12:00 x
お金の話が出てきたので、ちょっとだけ。

工学(機械系)で、アメリカでポスドクをしていて、600-700万もらうことは、ほとんどないですよ。研究費として、ポスドクへの人件費は300-400万といったところです。最低賃金だと、2000ドル/月だったりします。大学の規定だったので、医学系も同じだと思います。
アメリカは、学生を雇うよりもポスドクを雇う方が安く上がりますから。授業料を負担しなくていいぶん。

結構、そんな額でアメリカでは働いていますよ。アメリカのポスドクは使い捨てです。海外では、日本と違って、ポスドクで研究以外の雑用をすることは少ないようには思います。ポスドクの期間に使い捨てで終わるか、成り上がるか、道を変えるかは自己責任でという話だと思います。
Commented by Ryohei at 2006-02-13 14:09 x
Yamaguさん、その情報は偏っていると思いますよ。

アメリカでもPIはポスドクのキャリアにある程度責任があります。実際、ポスドクの給料の予算申請をだすさいに「彼らのキャリアのために何をしているか」を書くことを求めるグラントもあります。ポスドクを使い捨てにしている、という噂がたてば、そのラボには人が集まらないでしょう。

給料も、Dukeを含め多くの大学ではNIH基準ではらっています。1年目の$36K(~400万円)が最低ラインで、7年目で600万円くらいでしょうか。福利厚生費がこの25%かかるのでポスドクはものすごく高くつきます。
Commented by ヤマグ at 2006-02-13 14:41 x
えーと。実際、自分が居たので、その額でしたよ。工学系と医学系で違うのかも知れませんね。学生を雇った場合、授業料を教授負担になるということだったので、結構大変そうでしたよ。その意味では、福利厚生を支払っても、海外からタダのポスドク(VisitingResearcher)が来る事が良いと言ってました。
Commented by 平和 at 2006-02-13 16:03 x
プロスポーツ選手に比べたら研究職の数ってそんなに少なくない気がします。どちらも夢を見つつトレーニング(日々の研究)や試合、ドラフト(論文投稿、公募職応募)に臨むけど、生き残れるのはほんの僅かな人たちですね。人生そんなものですよ。
Commented by 博士課程女子 at 2006-02-13 16:57 x
post-doc様のお話を聞いていると、妻候補・母候補・ポスドク候補の博士課程女子は多重苦ですね。
Commented by yy at 2006-02-13 22:50 x
>給料も、Dukeを含め多くの大学ではNIH基準ではらっています。

それもまた極端だとおもいます。
Dukeのような有名大学はNIHにあわせられるでしょうけど、
米国大学のマジョリティーがそうかというと、とてもそこまではむりです。
(多くの大学、という表現は間違ってはいませんが誤解を招きます)
NIHの基準には満たない雇用の方が過半数と、お考えになられた方が現状に近いと思います。(ほとんどの田舎大学ではそんなに払えないし、生活費が安いので無理して払うわずとも暮らせる。)
5年前までNIH基準はNIHのポスドクだけのものでした。
年々、有名大学をはじめにひろく浸透しつつあるところです。
Commented by T at 2006-02-13 23:54 x
少なくとも私のいる大学(Dukeのような私立大学医学部)では、確かにNIHのガイドラインを念頭に置いていますが、それに従ってポスドクのサラリーを決めなければならないとは指導されていません。まわりのPIに聞いても、たいていのラボはNIHガイドラインより少ない金額を出しているようです。実際問題、NIHガイドラインは毎年更新されその度にポスドクの金額がアメリカの経済成長よりも高くアップされています。いったんNIHグラントを獲得すると、4、5年同じ金額を毎年もらう立場としては、ガイドライン通りのインフレに従うのは困難です。
Commented by kaerunokosodate at 2006-02-14 03:36
アメリカでの給料ですが、場所によって、ラボによって、ボスによって随分ばらつきがあると思います。日本では、勝手に変えることが許されないですが、こちらでは、ボスの裁量のような気がします。ボストン、特にハーバード大学関連では、苦労しなくても人は集まってくるので、給料は安い方だと思います。ただ、これも、ボスに依りますが、NIH基準を守ってくれるボスもいれば、中には、給料も出さないボスもいます。
ただ、ファカリティーポジションに着けば、アメリカでは、日本よりも給料がいいらしい、と話を聞いたことがあります。
Commented by ポスドクのヨメ at 2006-02-14 09:51 x
ポスドクのヨメの立場から言わせてもらうと、自分の希望の研究しかできない(やりたくない)、なんて、何言ってるんだ?って感じですね。人間、誰もが自分の希望通りに生きている訳じゃない。事実、私も数回の転勤により自分の職を失い、それでも仕事を変え、生き方を変えて、少しでもやりがいの感じられる仕事を見つけています。
結局、やりがいなんて、与えられた環境の中で自分がいかにもがいて見つけるかという事。政府の政策かもしれませんが、博士課程に進もうと決めたのは本人の意思。幸せは“自分で”見つけるものです。
ダンナには鬼ヨメのように思われていますが、このポスドク生活は今年の3月までと期限を切らせてもらいました。これ以上は付き合い切れません。
Commented by 人生の妥協 at 2006-02-14 10:27 x
ポスドクのヨメさんの人生設計には、遠距離恋愛や遠距離別居結婚というオプションはないのですか?実際、業界では別居結婚は珍しいことではありません。別居して自分の職を全うするよりも、(ダンナの)転勤により自分の職を失うことを選んだのは、自分の人生のトータルバランスとしてそれが良いと思ったからではないのでしょうか。ダンナさんも自分の希望の研究しかやりたくないと言う言葉の裏には、(たとえば教育の負担が重くて直属のボスが少し分野違いだけど家族が一緒に暮らせるなら地方大学の講師でも妥協しようとか)いろいろなバランス計算があると思います。確かに研究者の多くは家族を養うために働くという発想はほとんどなく、研究をした上で生じた余裕(お金も心も)の中で家庭をもつという気持ちが強いのですが、「付き合い切れません」と言う前に、お互いにどこでどの程度の妥協ができるのか、夫婦でよ〜く話し合うことが非常に大事だと思います。
Commented by ポスドクのヨメ at 2006-02-14 11:59 x
別居婚を望まないのは彼の方なので、どうしようもありません。子供達もいますから、別居婚が家族として成り立つのか?という問題もあります。ポスドク歴9年。うち、無給期間1年半。去年の9月でポスドクとして失職し、現在も引き続き職探し中(無給の研究員。入学金を払わなくていいだけマシ)。学部を問わず、可能性のありそうな大学には応募しているようですが、情報処理系などでもこれまでの研究歴などから採用されず(扱いにくいと思われるんでしょうね)。
留学経験もあるので、仕事を問わず海外の企業まで視野にいれれば、就職だって不可能ではないのに(実際、ヘッドハンターからの連絡もあり)、年収3、4百万の研究にこだわるというのは納得がいかないのです。今の私だってその位稼ぎます。
この融通の利かなさ、というのはプライドなのか何なのか。彼以外にも、同じような無給の研究員がたくさんいるようですし、ポスドク問題の原因には、ポスドク本人にもあると思います。
Commented by ポスドクのヨメ様へ at 2006-02-14 15:08 x
「彼以外にも、同じような無給の研究員がたくさんいるようですし」
分野はどちらですか?
Commented by ポスドクのヨメ at 2006-02-14 18:22 x
ここでストレスを発散するのもどうかとは思うのですが、“物理”です。大隅様、すみません。
傍観者として思うのは、推薦状を書く先生は本人にどの程度応援するのかを知らせるべきだと思います。自分の所で雇う気があるのかどうか。
公募といいつつ、実際はコネが大きいようですし、それなら最初から○○先生の応援する部下は誰それで、それ以外は面倒みないよ、と明らかにする方が路線にのっていない人にとっては幸せなことです。実力さえあれば評価される、なんて幻想を持たせるからこそ、いつまでもあきらめないんです。学振も取って、R研にもいました。それでも結局後ろ盾が誰もいない。私の見知っている限り、R研のポスドクの方達は決まった先生がバックにいて、彼らは学位を取る前からそのポストが決まっていたり。もちろん、ご本人達も優秀なんだと思いますが、フェアだとは思いませんでした。
公募書類が返送されて推薦状を見たんですが、“これまでこんなパワーのある研究者は見たこと無い”なんて書いていながら、その先生の所の公募に応募しても通らないんですから。自分の所に呼ぶほどではない、という事を前もって知らせてくれた方がありがたいと思います。
Commented by ポスドクのヨメ様へ at 2006-02-14 20:22 x
「R研のポスドクの方達は決まった先生がバックにいて」
自分は化学でR研にもおりましたが、バックによって決まる方はごく少数派だと思います・・・汗
また、昨今の公募事情は激しいですから(100倍は超えます)、優秀な方が集まってしまった場合、自分が推薦した人間でも採れないこともあると思います。

それにしても、物理分野に無給の研究員がたくさんいるとは、存じませんでした。ショックです・・・
Commented by ポスドクのヨメ at 2006-02-14 20:48 x
R研にいた当時のメンバーの論文をウェブで見ると、某有名教授との共著論文が必ずあるんですね。あーそうか、って感じでした。R研にいた3年間一本も論文が出ていなくても、次に海外学振が決まった、なんて方も。もちろん、ご本人はそれだけ優秀なんだと思います。でも、これだけ厳しいと言われている状態を考えれば、強力な後ろ盾がいると考えるのが普通でしょう。
物理の特にダンナの分野では、無給のオーバードクターはうようよいます。40歳で独身、月給16万(もちろんボーナスなんてなし)で非常勤講師をして生きている人もいるそうです。
無給で、大学であれば入学金を払い、安い非常勤講師をしてまでもしがみつくのは、はかない希望が残っているからです。もともと、優秀な彼らなんですから、ずばっと切った方が本人のためです。
アメリカでは、昇進の席を争い、それに負けた人は会社を去るのが普通です。早く“別の道に行きなさい”という事を教えるのは、残酷に見えるけれど実は本人のため。可能性が無いのなら、それを伝える事がその本人の資質を活かすことにもなると思います。
Commented by MM at 2006-02-15 10:12 x
ポスドクの嫁様、ご苦労さまです。確かに物理分野の方はプライドが高いです。それに見合う能力もありますから。もっとワークシェアで平均の給料が下がっても自由に研究できるポストが増えるといいですね。遥か昔、高校の先輩がT 大の物理の大学院入試に失敗して自殺したことを思い出しました。
Commented by ポスドクのヨメ at 2006-02-15 12:49 x
ホント、ポスドクのヨメも大変です。ヨメが“限界”を示せば、本人の意識にもよりますが、一生、その事がついてまわりますから。家庭不和のもとです。指導教官なりラボのボスなりが、しっかりと引導を渡さないために、ヨメが圧力をかけないといけないなんて。ヨメはすっかり悪役です。
当事者の方達には、コネの重要性を口にするのはタブーかもしれませんが、外部の人間からみていると、この世界はコネが大事です。学生時代か少なくとも2、3年のポスドクの間に、十分なコネが得られない場合は生き残れない、という事を明確にすべきだと思います。
みなさんドクターを取る程に才能があるんですから、30歳前後なら、Second Bestかもしれないけれど、やりがいを感じられる仕事なんていくらでも見つけられるはずです。
はーーー、普段言えないことを言えてすっきりしました。
Commented by MM at 2006-02-15 17:23 x
どの分野でも、会社でもコネ、効きます。R研も利権と当て字されることもありますね。まあ運がなかったということで、ご主人にも何か別の道で良い仕事をしてもらって下さい。私も研究職で、大幅にテーマを変えざるをえない状況にいますので他人事ではないんですが。
Commented by HG at 2007-09-03 12:18 x
たまたまた通りすがった者です。
過去の日記ではありますが、コメント残します。

私は現在ポスドクをしておりますが、
今後の将来・現状を見ると、
研究職として当然悲観せざるを得ない先行きなので、
大学を辞める方向で考えています。

辞めても辞めなくても当然
正社員・正規職員になるためには、非常に厳しい状況ですが、
やはり博士課程が企業に就職しにくいという環境は
先生がおっしゃる通りの環境だと思います。
現在肌身感じております。

諸事情・色々な複雑な要因が絡み、
ポスドク・博士課程の就職問題が現存しており、
学部・修士卒とは若干問題の質も異なります。
自己責任といわれればそれまでなのですが、
最悪の事態を避けるためにも、就職相談を増やす等、
今後直面する皆さんが少しでも広く外部で活躍できるよう、
真剣に支援の方法を考えていただきたいと思った次第です。
by osumi1128 | 2006-02-11 01:09 | Comments(52)

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


by osumi1128
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30