第147回日本学術会議総会
2006年 02月 15日
学術会議の設立は1949年に遡る。
日本学術会議の活動は、
1.科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること
2.科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させることを職務としています。
また、政府からの諮問に応じて答申し、または進んで政府に対して勧告する権限をもっています。さらに、国際的な活動として、国際学術団体への加入、世界各地で開催される学術上重要な国際会議への代表派遣、二国間の学術交流のための代表団の派遣及び我が国において開催される重要な学術関係国際会議の共同主催、後援などを行っています。
昨年10月に第20期が始まり「新体制」となったのだが、まだまだ旧体制を引きずりつつある様子で、何かがすぱっと決まらないのがもどかしい。
細かい「分科会」などとりあえずさっさと決めて、もっと本来すべきことに時間を使うべきだと思う。
さて、月曜日の会議の折に、午前中に松田科学技術担当大臣の講演と、午後に阿部官房長官のご挨拶があったが、このお二人のしゃべり方が好対照だった。
松田大臣は、選挙演説のような話しぶりだったのに対し、阿部官房長官はそつなく目を配りながら淡々とだった。
どちらの方も、本当にどのくらい科学技術や学術会議を分かっておられるのか不明だが、姿を見せたということは黒川会長の進める改革をアピールしようということなのだと思う。
さて、私はこの松田大臣の話し方が高圧的でまったく生理的に合わなかったのだが、柳田先生のブログモノから人へ、機関における個人の重視では結構好意的に書かれていたのが意外だった。
「意図してない、巧まざるユーモア」というよりは「オヤジギャグ」連発だし。
11枚のスライドに30分以上時間をかけるというのも退屈だったし。
まあ、個人的に面識はないし人物に興味もないのだが、そのとき用いられた昨年12月27日の総合科学技術会議の資料1-2は実はなかなか過激である。
この「第3章科学技術システム改革(1)科学技術人材の育成、確保、活躍の促進」のところに、若手、女性、外国人&シニアの3本立てで出てくる。
しかも「女性研究者の活躍機会の拡大」には「自然科学系全体で25%の採用目標を設定」というところに二重下線が引かれている!
「諮問第5号:科学技術に関する基本政策についてに対する答申(案)」の方は1色刷で文字が多いのだが、こちらのPDF版の方は非常にビジュアルなっているのだ。
気になるのは、「第1章基本理念(2)」も含め何度も出てくる「投資」という言葉である。
5カ年間の政府研究開発投資の総額の規模は、約25兆円とする(注:計画期間中に対GDP比率1%、名目GDPの平均成長率が3.1%となることを前提としたもの)
サイエンスのすべてが「投資の対象」と見なされるのは、私としては納得がいかないところがある。
計画の実施に当たっては、成果目標の設定、評価の仕組みの確立、研究費配分の無駄の排除などの諸改革を徹底的に実行し、投資効果を最大限高める
このノリはなんだか「公共事業」の様相を帯びていないだろうか?
「効果がない」と判断されたら、一体どうなるのだろう?
詳しくは見て頂くとして、ここに掲げられた6つの目標が、25兆円という資金援助を受けて実際にどのように達成されていくのか、それをウォッチしていかねばならない。
さて、学術会議の話に戻ると、「サイエンス離れ解消」や「改革アピール」のために(という辺りがちょっと不純な動機だが)、学術会議によるサイエンスカフェを4月末の科学技術週間に合わせて行うことになった、ということを毛利会員が話された。
目標全国20箇所で、会員が講師となる。
こういう試みに対しては、「よし、やってみよう」と思う人と「何それ? そんなことして何になるの?」という反応を示す人にきっちり分かれるようだ。
日本科学未来館もバックアップして取り組むことになっている。
(リンクを張ろうと思ったら、まだ載っていませんでした)
黒川会長は「全国のスタバと提携したら、ものすごい数できることになる」と言っておられた。
スタバでサイエンスカフェ、スタバサポーターとしてはかなり惹かれる・・・
そろそろ眠いので「科学者問題」については、次回に譲ります。
最近のエントリーにたくさんコメントも頂いているのですが、すみません。