CINP2018に参加した

ウィーンに行ったのはInternational College of Neuropsychopharmacology (CINP)という国際会議に参加するためでした。どっぷりこの分野で研究を長く行っている立場ではないのですが、2020年に日本神経精神薬理学会(JSNP)を日本生物学的精神医学会、日本精神薬学会との合同で仙台で開催することが予定されており、種々の状況を探ることが大きな目的でした。
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精神科医と薬理学系の研究者が中心の学会ですが、Society for Neuroscienceという米国の大きな神経科学の学会よりも日本人が執行部に多数参画しているという点では、こちらの方が親日的。
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ウィーン開催なのに、日本からの参加者(約200名)がオーストリアの参加者より多いという話も聞きました。今年のJSNPの年会長を務められる中込先生のスペシャルセッションなどもありました。
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Neuropsychopharmacologyという名称ではありますが、統合失調症の介入のためにITツールを利用するなどのアプローチも含まれています。このあたりがずいぶんと進んでいるのだという印象を持ちました。各種の精神疾患の中では、薬物治療が行われているものが中心なので、残念ながら発達障害はメジャーではありません。

プログラム委員会のトップを務められたのがProf. Barbara Sahakianというケンブリッジ大学の先生。ご主人のTrevor Robbins先生は心理学や動物行動学の研究者で、いつもご一緒の鴛鴦夫婦。最初にお目にかかったのがCold Harbor Meetingの統合失調症に関するワークショップのときでした。精神疾患の動物モデルについて勉強しようとして参加したのは、2006年くらいだったかと思います。

ところで、このProf. SahakianがWomen's Symposiumのセッションも企画され、5名ほどのパネリストが各自の体験やヒントとなるお話をされましたが、その中の一人の方は(ある意味)パワフルで、「あるとき、とある先生がセミナーを5時半に設定したのです。そこで、私はデイケアから子どもを連れて戻り、一番前の席に子どもと一緒に座りました。子どもが途中でぐずって泣き出したのですが、<あなたがセミナーを夕方に企画するという思慮のないことの帰結です>ということを体験してもらうためでした……」というエピソードを披露されました。欧米ではだいたいランチタイムにセミナーを行うのが一般的ですね。日本はなかなかそのようになりませんが。
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もうひとりの方は、「キャリアアップも子育ても同時にしたかったので、伴侶として内科医を選びました。私は臨床と研究を行いますが、彼がベビーシッター役です。また、子どもにとってはお掃除する人やご飯を作る人が必要なのではなく、<母親>が必要なので、掃除や料理は他の人に任せています」と言い切っていました。これ、女性を男性に替えたら、ごく一般的な父親像ですよね。そういう意味で、日本の女性研究者の方々は、一般的にはかなりマイルドと思いました。

全体での懇親会は無かったのですが、Asian Nightという催しがあって、こちらでも日本のプレゼンスが強くアピールされていました。画像は開会のスピーチをされた池田和隆先生@都医学研。AsCPの次期会長でもあり。
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by osumi1128 | 2018-06-19 19:05 | サイエンス | Comments(0)

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