本日、東北大学とフィリップス ジャパンとの間でヘルスケアに関する包括的連携協定が結ばれました。
東北大学星陵キャンパスで行われた記者会見にはメディア30社ほどが参加しました。
まずは口腔ケアから共同研究を開始するとのことで、東北大学病院エリアにはCo-Creative Satellite がオープン(下記画像。こういう場所が片平ヘッドクォーターキャンパスにも欲しい……)。今後、仙台市内にはCo-Creative Centerも開設されます。大学病院から徒歩圏内、60−70名規模とのこと。
最初に取り組むのは口腔ケアのプロジェクト。フィリップス社は電動歯ブラシの開発販売に早くから取り組んだ会社で、子どもの歯ブラシ習慣のためのアプリも作成していますが、同社が注目しているのは、口腔内環境がいかに全身の健康に影響するかという点。
例えば、誤嚥性肺炎は、口腔内の細菌が呼吸器に入ってしまうことによって生じるので、口腔衛生環境を整えることが重要という認識が、高齢者ケアの分野で広がりつつありますが、それだけでなく、歯周病のように口の中に慢性炎症を抱えていると、心疾患にも影響するということも知られています。さらに、口腔は一種のセンサでもあるので、噛むことなどの刺激が脳に伝わることによって、認知症予防などにも関係すると考えられています。
ひとまず11月、来年3月をチェックポイントとしてプロジェクトを進めるというスピード感は、大学も大いに学ぶべき点と感じました。
記者説明での質問にもあった、「なぜ東北大学と組むのか?」については、東北地方が日本や世界の高齢化の「先進地域」であるという側面や、医療過疎などの問題があり、本学には指定国立大学としての4つの重点拠点の1つとして、「未来型医療」を推進するというミッションを持ち、すでに、臨床研究推進センター(CRIETO)等を中心に医療デザインを推進する下地があったと言えるでしょう。
口腔ヘルスケアを推進する上では、東京大学、京都大学には歯学部が存在せず、東京医科歯科大学(母校ですが…)は工学部や心理学部などを持たないので、総合大学としての東北大学に大きな強みがあります。
今後の進展に期待したいと思います!
【メディア掲載】