ゲノム編集でノーベル賞候補と目されるジェニファー・ダウドナ先生のシンポジウムを無事に終了しました。報告記事は追ってゆっくり落ち着いてから書きたいと思います。まずは関係各位に感謝です!
今週はオープンキャンパスに加えて「ブレインビー(脳科学オリンピック)」東北地区大会も予定していますが、本日のブログ記事は、今週号の週刊ダイヤモンドに掲載している連載記事「
大人のための最先端理科第177回:【生命科学】超音波で認知症を予防!? 神経細胞を支える脳の血管 」のご紹介。論文執筆に共著者として関わった内容をもとにしています。「低出力パルス超音波(LIPUS)」をアルツハイマー病モデルマウスに照射して、病態を改善したというのが、論文の骨子です。中身を読まれたい方は以下をご参照ください。
東北大学循環器内科の下川宏明先生のグループとの共同研究ですが、下川先生たちはLIPUSによる認知症改善のための治験を開始したところでもあります。今後に期待したいと思います。
なお、今回参加した第41回神経科学大会において、米国MITのLi-Huei Tsai先生が、ガンマ・オシレーションによりアルツハイマー病モデルマウスの病態を改善した、という発表をされていましたが、もしかすると、「LIPUS → ガンマオシレーション → ミクログリア活性化 → 病態改善」というような流れなのかと考えます。彼女らは光刺激などによってガンマオシレーションを生じさせて、臨床応用につなげようとしているようですが、光刺激は転換誘発などもありえますので、LIPUSの方が低侵襲だと思っています。