第26回脳の世紀シンポジウム「AIと脳」:瀬名秀明さんの特別講演

昨日は、理事を務めるNPO法人脳の世紀推進会議が毎年、主催するシンポジウムに参加。特別講演にお招きした作家の瀬名秀明さんの座長を務めさせて頂きました。有楽町朝日ホールは開演の1時間前からかなりの参加者が集まられ、座席は8割くらいの大入りでした。
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瀬名さんは東北大学の薬学出身で、大学院時代に書かれた『パラサイト・イヴ』で日本ホラー小説大賞を受賞された方ですが、ちょうどロボット研究者に取材して一連の小説等を書かれた時代に面識ができ、いくつか主催したイベントにご登壇頂いたこともありました。例えば下記。もう10年以上前ですね……。

脳をつくる遺伝子レシピ!
講師:大隅 典子 東北大学大学院医学系研究科 教授
講師:瀬名 秀明 作家、東北大学大学院工学研究科 特任教授

今回のトークのタイトル「脳と小説と人工知能〜脳が面白がる小説とは何であるか?〜」もワクワクしますが、中身はさらに面白かったです。15年前くらいに、「AIといえばロボットを動かすモノ」だったのが、現在はチェスで人間に勝ち、Google翻訳は日に日に精度が良くなり、Googleフォトでは髪型が変わっても自分の顔写真を見つけてくれ、さて、これからどんな世界になるのでしょう??? 以下、かなり備忘録ですが、心に残った言葉を残しておきます。

冒頭で紹介されたのはミチオ・カクの『2100年の科学ライフ』。「普通の研究者は5年後、10年後くらいまでしか予測しない」……仰る通り……。「未来とは、社会の倫理観が変わること」…なるほど。

ご自身が立ち上げられた「日経星新一賞」(今は審査員から外れておられます)の最初の応募規定には「AIが書いたものでも可」としてあったことなどのエピソード。現在、それを試みている研究者もいるが、今のところAIに作らせても一次審査から二次審査には進めない。

「文献計量学」が進み、ハリウッド映画等にみる「男子の王道ストーリー」と「女子の王道(←女王道?)ストーリー」との差異はあるにせよ、screen-writingはかなり分析されて、定石が決まっている。観客がそれに合わしてしまうことは、多様性を損なっているのではないか?

シンパシー(共感)とエンパシー(感情移入)の違い。前者は受動的 vs 後者は能動的。(ふむ……SNS炎上などをみるに、現代はシンパシーが暴走し、エンパシーが足りないのだろうか?)

レイ・カーツワイルは『シンギュラリティは近い』と考えているのだろうけど、AIがエンパシーを持つことができるかどうかにかかっているのかもしれない。

by osumi1128 | 2018-09-13 07:47 | 科学 コミュニケーション | Comments(0)

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