フード本が好きです。全部作れるはずもないのに、書店で美味しそうなお料理が載っている本を見ると、つい手が伸びます。物理的な限界もあるので、最近はもっぱらiPadに収まるKindleでコレクションしています。
少し前に、お料理の材料が「キット」になっているものを通販で購入して作ってみたのですが、これが完全に喜びの無い経験でびっくりしました。なんというか、それなら「コンビニでお惣菜を買った方がマシ」という感覚です。もちろん、「オーガニック素材」などを謳っているキットなので、コンビニを敵視するマインドの方にとってはキットの方に軍配が上がるのでしょうが、私の場合はちょっと違いました。
曰く「おいしいスープの方程式」は「具材XだしXオイルX調味料」とのこと。
しかも、具材からだしが出る場合には1つで良いし、調味料は基本が粗塩(←ここポイント。ミネラルも入っているので美味しい)。オイルの種類で洋風、中華風などが決まる。
極めてシンプルで、いくらでも掛け算で応用がききます。これが「キット」との違い。想像力を掻き立てられます。
この本で学んだ一番のポイントは、「先に野菜を炒め煮(
スゥエという調理法らしい。野菜に「汗をかかせる」のが語源)にしてから、水を加えて煮込んで、最後に味を整える」というやり方。野菜を炒めておくとアクが出ないようです。
また、
メイラード反応(美味しそうな焦げ目が付く化学反応)を活かした旨味というのも納得。
有り難いもう一つの点は、一人分でも簡単に作れるということ。どちらかというと、時間を置いた方が美味しくなる、長期保存が可能なスープとは真逆の路線であり、その場で作って食べきってしまう料理。これも「つくおき」が嫌いな私向きです。
上記の本は、有賀さん曰く「副読本にして下さい」とのことなので、以下の書籍もお勧めしておきます。どちらもわかりやすい作り方と美しい写真で構成されています。編集者さんのセンスも素晴らしい。
この表紙になっているキャベツは、最初に焼き目を付けてからベーコンといっしょに煮込んでいます。下の画像は大隅による再現バージョン。キャベツの葉がバラバラにならないように刺した爪楊枝を抜き忘れました……orz
おそらく、あると便利な調理器具は
Tfalなどのテフロン加工の深型のフライパンですね。野菜を少量のオイルで焼き付けてから、そのまま水を入れてスープが作れるので。現在、使っているのは直径20cmくらいのビタクラフト片手鍋ですが、焼き付けるスペースがやや狭く、買うかどうか要検討(ただし、調理器具はキリがないので増やさないのが大原則)。