このところ著名な方々に本学をご訪問頂き、有り難い限り。いろいろなお立場やビジョンからのご講演にインスパイアされる。
冒頭では
APU大学紹介プロモーション動画を披露。すでに過日、SNS経由で流れて来て観ていたのだが、タイからの留学生が作成したもので、その学生さんは動画作成の会社を起業したとのこと。今、サイトを検索したところ、
大分県とタイアップした動画コンテストも行われたらしい。APUでは学生の半数が留学生。教員にも外国人が多く、日本人の学生は2割、英語での講義が必修であり、逆に留学生にとっての講義はほとんど英語でカバーされるが、日本語の講義も2割取らなければならないルール。
出口先生のご講演は、今週月曜日・火曜日に行われた石井裕先生@MITメディアラボとはまた異なるスタイル。ゆったりとした語り口で(でも内容はクリティカル)、事前に準備されているPPTのスライドの中から、ごく少数を使い、その日の聴衆や持ち時間に合わせて話される。
今回、1時間の講演の中で、一番のメッセージとしては、「高度化する現代社会において<大学>は成長戦略の要として利用できる」ということだと思う。我が国で18歳人口がどんどん減少している(←それは無策だったからなのだが)とはいえ、世界の人口は増加している。留学生を積極的に受け入れるのは必然であるし、良い教育システムを持っていれば海外への進出も大いにありえる。
かつて世界の20社の中に日本企業が半分以上も入っていたのに、現在、日本でGAFAやユニコーンが出現しないのはなぜか。その根源には、ガラパゴス化した日本の構造的な問題があるのだが、高等教育はそこに切り込むもっとも重要な立ち位置にあるはず。
出口先生の思考の根源は「タテ・ヨコ・算数」。タテは歴史に学ぶ、ヨコは世界の醸成を知る、算数はデータ・数字を捉える、という意味。例えば、伝統的に日本では家父長制であり、嫁は嫁ぎ先の姓を名乗るのが良い」というのはまやかしで、平安時代は通い婚であったし、法律で1つの姓しか選べないのは我が国独自の制度であることを知れば、夫婦別姓がけしからんという根拠が薄いと理解できる。

出口先生はWikipediaによれば1948年のお生まれだが、「OS昭和」ではなく最先端にアップデートされていることに感銘を受けた。
註)