ご恵贈御礼『メダカで探る脳の発生学』

出張から戻るとご恵贈頂いた書籍の中に本書があった。インパクトのある表紙は、メダカ胚の頭部。黒い大きな眼がと染色した神経系が見える。著者の石川裕二博士は調べてみると、(Wikipediaによれば)東北大学理学部のご出身。琉球大学医学部で教鞭をとられたのち、1992年からは放射線医学総合研究所上席研究員。恒星社厚生閣という、初めで出会う出版社は、天文学、水産学、海洋学、環境科学、海洋生物学等の専門書を扱うところらしい。
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まだ読みこなしていないが、神経発生初期に現れる「三脳胞(一次脳胞)」は脊椎動物の共通なボディプランではない、ということを主張していると、添えられたお手紙に書かれていた。発生学の授業でいつも「三脳胞」や「五脳胞」を紹介しているのだが、それはたいへんだ!

まぁ、確かに、哺乳類のごく初期の神経発生について研究していた頃に、神経板という神経系の原基(元になる組織)の最初のくびれは、中脳と後脳(もしくは菱脳)の境目ではないことに気づいており、モヤモヤとした感じはあった。(元ラボメンバー、現自治医科大学の高橋将文博士の脳科学辞典「神経管」参照)

『神経堤細胞ー脊椎動物のボディプランを支えるもの』(倉谷 滋博士との共著、東大出版会UP Biology)と共通するテイストを感じる本書をじっくり読んだ上で、発生の基盤としての「ボディプラン」を再考しててみたい。

【関連拙著】

by osumi1128 | 2018-12-14 12:30 | 書評 | Comments(0)

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