実験のデモ
2006年 02月 23日
このまま春・・・にはならないだろうが、浮き立つ気持ちがありますね。
昨日、今日と、Salk研究所の日本人ポスドクTさんという方が、実験見学に来ていた。
うちのラボは実験発生学に欠かせない哺乳類胚操作技術をいろいろ持っていて、ときどきお客さん相手に実験のデモをしたり、誰かの実験を見てもらったりする。
昨日は、最初学生さんの実験を見てもらいながら、説明を加えていたが、その後、2006年になって初めての(そして久しぶりの)全胚培養用にラット胚のマイクロダイセクションを行った。
久しぶりでも自転車に乗れるようなもので、かなり深いところに仕舞われた神経回路はちゃんと機能していた。
前にも述べたが、一番好きな実験がマイクロダイセクションで、中でも一番好きなembryoはマウスの10日目である。
何重にも大事に膜に包まれていて、それを1枚ずつ剥がしていく。
この時期は、心臓が4つの部屋に分かれて、血液が多くなり、頸部から頭部にかけての血管が発達してきて、非常に綺麗。
これより前の、もっと透明なembryoの方が好きな人もいるが、私はこの発生段階が好き。
これよりもさらに発生が進んでしまうと、皮膚など厚くなっていって、はかなさに欠ける。
こういうマニアックさというのは研究者独特かもしれない。
以前どこかで、「私は大腸菌よりも酵母が好き。中でも出芽酵母の方が分裂酵母より好き」というようなマニアックな話を聞いたことがあるが、納得できる。