不正防止パンフレット
2006年 02月 23日
東北大学で「研究者向け不正防止パンフレット」の作成に関わる方から、面白い話を聞きました。
普通、こういう「何か新しいことを始めるプロジェクト」でまず最初にするのは「前例にあたる」です。
ま、論文だったら、背景となるような、すでに出ている論文を読んで、情報収集するということですね。
で、いろいろなその手のパンフレットを集めてみると、すでにある冊子からの「パクリ」満載だったりするというのです!
とくに、研究機関内部向けのものにそういう傾向があるらしい。
日本の本屋さんはクレジットの意識が定着していますから、売られている本ではそういうことは少ないのでしょう。
それにしても、「ミスコンダクト防止パンフレット」が「盗用」だらけだったら、ジョークを通り越していますね・・・
ここ数年、学部学生さんにレポートを書いてもらうと、ウェブで見つけてきた情報の「コピー&ペースト」になっているものが数%あって、レポートの課題を出すのが嫌になりました。
もちろん、大多数の人たちはそうではないのですが、「ん?これはアヤシイ」と思って、引用されているURLを当たったり、文章のキーワードをGoogleに放り込んだりすると、「盗用」が見つかるのです。
もちろん授業中に「ウェブ情報を引用する際には、これこれについて守って下さい」と言ってはいますが。
でも、「コピー&ペースト」で作られる「ミスコンダクト防止パンフレット」って、どういう価値なのでしょうね?
ちなみに、「コピー&ペースト」される元データの方は、日本学術会議の冊子が多いとのことです。
たぶん対外報告リーフレット「科学における不正行為とその防止について」あたりでしょうか。
ちなみに学術会議では、科学者委員会という常置委員会を中心として、研究行動規範(ガイドライン)作成や、公正な審理期間の設立など、不正行為の抑止と研究上の誠実さの確保に関する具体案の策定に向けて活動しています。
このお話を聞いたWGの方は、東北大でつくる学生向けパンフは明るい方向にしましょうと話しているそうです。
(以下、引用)
研究のアイデアは尊いのです.アイデアの発見は,喜びに満ちたものです.
それは,あなたのかけがえのない貴重な財産です.
お互いのアイデアは産み出したひとの持ち物であることを尊重しあいましょう.
そして,自分の研究を誠実に行う誇りをもちましょう.