文藝春秋2月号の塩野七生先生のエッセイ:「廃炉」のプロをめざして

記事紹介が続いて恐縮ですが、続いてやはり今月号の文藝春秋より、塩野七生先生のエッセイ「日本人へ・108」(92-93ページ)では『「廃炉」のプロをめざして』というタイトルのもとに、東北大学の廃炉関連研究や人材輩出のことが書かれています。
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冒頭を引用します。
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 福島第一原発の事故後から私の頭の一部にありつづけたのは、「廃炉」であった。
 これを機に原発を全廃するか、それとのエネルギー問題も安全保障と考えて、ある程度は残すかに関係なく、廃炉は避けて通れない重要課題と思ったからである。原発を全廃したからと言って、それらを廃炉にする作業まで全廃にするわけにはいかないのだから。
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塩野七生先生は昨年、帰国の際に福島第一原発の現場を見に行かれ、東北大学の廃炉関連事業の責任者が同行し、また、東北大学出身の東電の若い社員2名に会われ、さらに翌日は大学院生4名とも話をされました。

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……27歳は言った。
「なにしろすべてのことが初めてなので、他の会社なら当たり前のベテラン世代の経験量も、こおではまったく役に立たない。廃炉のためには何をすればよいか、それには何をどう使えばより効果が出るかを決めるにも、ここでは全員のスタートラインが同一線上にあるのです」
 入社2、3年のこの2人も、今の東電では、両国はまだ小さくても一国一城の主なのだ。先輩たちに相談することもできない中で、部下たちを統率して仕事を進める立場にいる。
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塩野先生が現在、お住まいのイタリアでは原発は全廃され、原子力関係の研究者も技師たちも、原発大国のフランスを始めとする欧州各国に流出した。そのことを踏まえ、塩野先生は「この若者たちを日本は、他国に流出させてはいけないと思った」とのこと。

「技術立国日本の誇り」を持って廃炉に対応することは喫緊かつ重要な課題。

【関連リンク】


拙ブログ:廃炉人材を育てる(2018.11.30)


by osumi1128 | 2019-01-20 00:10 | 東北大学

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