Nature誌150周年記念祝賀会の前に編集長とのラウンドテーブルディスカッション

過日、Nature誌150周年記念の祝賀会が都内で開催されるのに合わせ、来日したEditor-in-ChiefのDr. Magdalena SkipperおよびChief Physical Science Editor(実際には「生物学以外」を担当とのこと)のDr. Karl Zeimelisをモデレータとして「Nature Research Round Table」が開催されました。現場の研究者および研究資金交付機関からのパネリスト9名の一人として参加しました。

natureasia.comのHP:新ブランド「Nature Research」のご紹介(2016.6.3)
要するにNature Publishing Group(NPG)から新しいブランディングとなったとのこと。
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ちなみに、MagdalenaはNatureの150年の歴史で初めての女性編集長です。就任は2018年の5月。

Nature SpringerのHP:Dr Magdalena Skipper appointed new Editor-in-Chief of Nature(2018.5.2)
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話題の中心は「Research Integrity」でした。この「Research Integrity」という用語は、日本語にすれば「研究の公正性」となるでしょうか。「研究倫理 Research Ethics」とはニュアンスが異なります。

「Integrity」は「整合性、一貫性、無矛盾性、完全性」という訳語もありますが、もともとは「完全無欠さ」を意味し、コンテクストによっては「高潔,誠実,清廉」などと訳される場合もあります。数学の「積分」の記号「インテグラル」も同じ語源ですね。


Research Integrityと関連して、Data SharingやHealthy Laboratoryなどについての意見交換も為されました。非公開の議論として為されたので、私自身がどんなことを話したのかのみ備忘録として記しておきます。

・そもそもResearch Integrityを保つには「科学への愛やリスペクト」が重要
・論文不正が生じる背景には、研究室内にそれを生じやすい環境要因が存在する
・研究室内の透明性はResearch Integrityを保つのにポジティブに働く
・研究室内のData SharingもResearch Integrityを保つのにポジティブに働く
・だからこそ、Data Sharingのためには、正しい手順でデータが得られることが必須
・Human errorsを限りなく少なくできる方向性が、生物学系の研究において重要であり、今後の大きな課題
・Data Sharingは研究コストを下げる上でも重要

その後、タイミングよく満開の桜を鑑賞する機会もあり、祝賀会では(東京中心ですが)多数の友人にお目にかかることができました。Nature Index 2017の表紙を飾った落合陽一さんも来ていました。(許可を頂いたので画像掲載♫)
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このNature Index 2017の後に初めてのお子さんが生まれたのでしたね。



by osumi1128 | 2019-04-07 08:18 | 科学技術政策

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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