個人的な話になってしまうのですが、私は妻と共働きで娘を育てていました。子育てをしていると、子どもが急に熱を出したり、予定していたベビーシッターが来られなくなったりと、予想外のこともよく起きました。
(中略)
出産や育児を経験する研究者にとって、長時間の会議にいくつも参加し、遅い時間まで研究室で仕事をするような働き方は問題です。男性研究者であれ、女性研究者であれ、パートナーに家事・育児を押しつけることになりますから、こうした状況は改善しなければなりません。
東大の場合、女性教員は全体の約18パーセントしかおらず(筆者注)、まだまだ少ないのですが、その背景には働く環境が未整備であることも影響しています。男女を問わず、ライフイベントと仕事の両立ができるようになれば、女性だけでなく男性にとっても望ましい環境となるはずです。
「将来はパパのお手伝いをしたい」と口にしていた時期もあったものの、小学校高学年になるとパタっと言わなくなりました。娘は文系に進み、今は民間企業で働いています。