大阪、そして秋田

月曜日は大阪、本日火曜日は秋田で仕事だった。

大阪での用務はCRESTの領域報告会。
「脳と学習」領域(津本忠治先生統括)は、平成15年度に6件、平成16年度に5件、そして平成17年度4件の課題をもって募集は打ち止め。
今年の報告会は、計15チームの代表者とそのメンバーが集まって大盛況だった。
私の目には、やや分子的アプローチの課題が少ないように思うのだが、これは身贔屓だろうか。
また、「脳と学習」の本質に迫ろうとする取り組みよりも、「人に即役立つ」出口指向のものが多いような気がするのも、10年先を考えるときにちょっと不安。

ところで、今回の報告会では大トリでの発表となったのだが、これはもともとの発表時間に間に合わなかったため。
予定の仙台ム伊丹便に間に合わず、その次の便は農閑期のツアー客で満席。
Waiting listに載せてもらったが一人しか乗れず、その次の便になった。
やれやれ・・・
日本人は昔からお伊勢参りなど、みんなで旅に出よう!という習慣があり、修学旅行の伝統もずっと続いているが、私はどちらかというと集団行動が苦手である。
決められた集合時間に合わせるとか、あまり合わない人とも一緒に過ごすのがとても辛い。
さらに、ビジネスで焦りまくっている(自分の落ち度のせいなのだが)ときに、観光気分で盛り上がっているツアー客とご一緒するのはサイアク。

まあ、1時間ほどの空の旅で伊丹には無事到着し、モノレールで千里ライフサイエンスセンターまでは、方向音痴の私でもかなり学習できたルートなので、お昼ご飯時には会場入りしたが、発表の順番を代わって頂いた先生や、領域統括、アドバイザーの先生方、CREST事務所の方々などに平身低頭謝りまくり。
自著「プレゼン本」では、「発表には余裕をもって臨むように」と指南しているにもかかわらず、実践できていませんでした。ゴメンナサイ。

代表者による口頭発表の後、それぞれのチームからの多数のポスターの発表時間があり、さらに同じ会場での懇親会へと続いた。
さまざまな方々と喋っているうちにお開きの時間となってしまったので、ラボメンバー+チームメンバーの一人の方と一緒に、千里中央駅近辺で二次会へ。
居酒屋で、「生レモン酎ハイ」が、本当にレモンを自分で搾って入れるというスタイルだったのが、なかなかグッド。
私の好きなコラーゲンリッチな牛すじ煮込みなど、とても大阪チックな料理もあり、コストパフォーマンスの良いお店でした。

翌朝は今度は伊丹から秋田に飛んで、日本学術会議の東北地区会議に出席。
第一部は「科学者との懇談会」と題され、黒川会長、第1部から野家啓一先生(東北地区代表幹事、東北大学副学長)、第3部から栗原和枝先生(同多元物質研究所)、そして第2部からは私が参加し、秋田大学、秋田県立大学等の方々に今期の学術会議についての簡単な紹介をした。
黒川先生は、さらに詳しい学術会議成立の歴史から現状についてのお話をされたが、立て板に水のスピーチを伺うと、きっと同じことをあちこちで喋っておられるのだろうなあと思った。
なにせ、「歩く学術会議」なのであるから当然といえば当然だし、我々、ヒラの会員は本業に加えてボランティアで活動しているが、会長は専任なのだから。

お昼ご飯を食べながら懇談し、ミスコンダクトや人材育成の話題が上った。
午後は、「公開学術講演会」として、黒川先生から「学術会議とは何か?」、東北大学理事の庄子哲雄先生から「東北大学における産学官連携の取り組み」、秋田県産業技術総合研究センターの中西大和所長から「秋田県の産業振興の展望について」、秋田大学地域共同研究センターの玉本英夫先生から「秋田大学地域共同研究センターから見た地域の産学官連携について」という講演があった。
講演は録画され、秋田県立大学と秋田経済法科大学にも配信されていた。
講演が終わって「何かご質問などはありませんか?」ということで、3つの会場それぞれで質問を受けたが、はっきり言ってあまり盛り上がらなかった。
地域振興のことを話題にしているのにこれではなあ・・・と感じてしまった。

それにしても「社会から信頼される科学者コミュニティー」を作り上げるというのは大変なことだとつくづく思う。
「末は博士か大臣か」と言われたのがいつ頃のことだったのか分からないが、今は、どちらもあまり重要視されていないか、大臣と同じほどには博士は重く扱われてはいない。
by osumi1128 | 2006-03-07 21:34

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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