塩野七生さんと高校生との対話より

元旦のEテレで放映された塩野七生さんの番組の録画を、過日、ようやく視ることができました。(画像はEテレの番組紹介ページより拝借しました)
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学習院大学附属の男子高校生が塩野さんのサイン会に出たものの、時間切れで質問ができなかったので、後日、10項目からなる質問状を送ったのに対して、ローマに戻った塩野さんからは原稿用紙に回答を書いて戻したとのエピソード。

そこから、学習院大学に学んだ塩野さんを高校に招くという企画に、どなたがどのように関与したのかはわからないのだけど、そうやって人と人との縁がつながって、昨年、秋に帰国された塩野さんと高校生との対話という50分番組ができあがった。

進学校であった都立日比谷高校から、「東大をすべっちゃったから」呉茂一に師事したくて、彼が非常勤で教鞭をとっているのが学習院大学だったので、同大学に進学。当時、学習院卒の女性に職がある訳ではなく、当時まだ日本で馴染みがなかったイタリアファッションのレポーターをするというポジションを、いわば自分でつくってイタリアに飛ぶ。このブログ記事にリンクを貼ろうとWikiを見たら、すでにこの番組のことが含まれていたので、このあたりのことはWikiを参照あれ。

高校生との対話の番組に出てきた言葉の中で、印象に残ったものを備忘録として(正確な言葉ではありません)。

高校時代の知識が、いつ役に立つなんて、あなた、わからないのよ……。
だからこそ、若いうちにしっかり勉強しておくことが大事。
本を読むってことは、あなた、「教養」を身につけることになるのです。
そして「教養」は「免疫」となって、将来に起きるダメージから免れることができるの。
「みっともない真似」はしないこと、それが生きる規範。

ちなみに、「免疫」という言葉の使い方は、同じ日比谷高校出身の後輩である利根川進先生(塩野さんは「利根川君」と呼ばれる)とのやりとりにヒントがあるのかもしれないが、本を読むことが「自然免疫」の獲得に繋がるという捉え方は、なるほどと思う。(私だったら「レジリエンス」という精神科領域の言葉を使うかもしれないところだが。)

高校生たちとのやりとりの最初に「あなたたちのような年代の方とお話するのには慣れていないので……」と言われてたけど、高校生たちは皆、一心に耳を傾け、メモを取っていたのが印象的。

塩野さんは「アレキサンダー(ギリシア人の物語)を書いたら、もう執筆は終わり」と数年前に仰ってたけど、実際には、ルーチンで文藝春秋にコラムを書かれているだけでなく、次の企画もあるらしい。『ローマ人の物語』等の中国語翻訳も大事なビジネスとなっていると伺った。その他にも、昨年秋の帰国の折にいくつか対談などされた模様(下記参照)。

番組では、お若いときの画像などもあって興味深く拝見した。現在、82歳にはとても見えない、イタリアファッションを颯爽と着こなす素敵な塩野さんに、これからはいつでも録画で会えるというのはありがたい。

でも見逃した方もおられるでしょうから、ぜひ、NHKさんには再放送やオンデマンド配信をお願いしますね♬

【関連サイト】
文春オンライン:塩野七生が“イグノーベル賞医学者”と語る「健康オタクにはなりたくない」(文藝春秋2020年1月号をもとにした記事)
Twitterのハッシュタグ#塩野七生には1月1日以降に、いくつか関連するツイートが載っています。

(東北大学の原子力関係の先生方が塩野さんをF1にお連れし、それを元に書かれた文藝春秋コラム記事をもとに)
説ブログ:ホリデイ・リード2017/2018冬(2018.1.2)
(このときがリアル塩野さんにお目にかかった最初。東日本大震災も一つのご縁)
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(画像は2018年8月に訪れたローマのiPhoneスナップ画像)




by osumi1128 | 2020-01-19 22:36 | ロールモデル

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