東北大学は感染症の研究に伝統があります。現在の加齢医学研究所はかつて「抗酸菌研究所」として結核を専門に扱っていましたし、現在、iPS細胞への遺伝子導入に用いられる「センダイウイルス」も第15代総長を務めた石田名香雄先生により1953年に
小児の肺炎から単離されたものでした。
数年前のSARSの折にもそうでしたが、連日の報道で、東北大学医学部名誉教授、現東北医科薬科大学特任教授の賀来満夫先生や、微生物学教授の押谷 仁教授が引っ張りだこです。
本日、押谷先生が新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染に対する記事を発表されたので、本ブログでも拡散します。

SARSの際は封じ込め作戦が成功しましたが、今回の2019-nCoVの場合には同様にはいかないと押谷先生は予測されています。そのため「日本でも「見えない」感染連鎖が進行している可能性が現実のものとなりつつある。」と見られています。そして、2〜3週間遅れて感染が拡大しつつある武漢以外の地域での状況を把握することが鍵となると考えておられます。
感染予防の基本は「手洗いとマスク」です。その理由として、ウイルスを触ったりした手で鼻や口のあたりを触ることによって感染することを防ぐという意味があります。もちろん、自分が感染してしまったときに、くしゃみや咳でウイルスを拡散させないという意味でのマスクも重要です。
根拠となるデータはこちらの解説記事を参照(東北メディカル・メガバンクの児玉先生から教えて頂きました):
Kwok YLA, Gralton J, McLaws ML
Face touching:A frequent habit that has implications for hand hygiene.
Am J Infect Control 2015;43:112-114.
子どもの場合はとくに顔を触る頻度が高いようです。