本日は「
国際女性デー」。20世紀初頭の米国における女性参政権運動等の歴史を背景に、1975年に国連によって制定された。日本でも各地でイベント開催予定であったが、このたびの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を防ぐために、レストラン等での小規模なもの以外のイベントは中止され、
オンラインでの視聴となった。
筆者の周りでは、学内対応について慌ただしく整備が為され、今が正念場、ということで一昨日(3月6日)に
総長からのメッセージも発出されたところ。学生・教職員への注意喚起だけでなく、いわゆる卒業式(学位記授与式)や入学式の対応についても、リンク先にまとまっている。
総長メッセージの中にも書かれているが、「小中学校などの一斉臨時休業に伴って、時差出勤、テレワークなど教職員への柔軟な就業の取り扱いも実行」することになったのは、このたびのCOVID-19のおかげと言えなくもない。
(もちろん、今年、中学校の卒業式が中止となった生徒さんたちは、9年前に3.11のせいで卒園式ができなかった方々で、とても残念と思うし、お子さんを自宅に残して働く保護者の方々の負担も大きいことはわかる)。
実際、すでに多数の大規模会議が中止され、30名余ほど集めての学会理事会などがウェブシステムを用いた遠隔会議となった。そもそも、種々の会議が東京で為され、仙台からは新幹線で1時間半で、下手すれば都下からの移動より早いくらいではあるものの、交通費もかかる。東北大学はキャンパスも4つ分かれているので、全学的な会議もどこか1ヶ所に集まって行うのはたいへん。なので「ウェブ会議にしましょうよ♬」キャンペーンは以前から主張していたところに、新型コロナウイルスがやってきた。黒船来航によって近代日本が開かれたような、「その時、歴史は動いた」感がある。
人間の心理というのは面白い。理性で「電子化は大事」と思っているだけでは、行動変容には繋がらないが、「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は怖いのかも?」と情動が揺さぶられると人は動く。もちろん、皆がマスクやトイレットペーパーを買いに走るという、かつてのオイルショックの繰り返しのような集団心理も働いてしまうことになるが、ともあれ、今回の件で日本中の電子的な対応が進むことは間違いない。時差出勤、テレワークなどの「働き方改革」も進むことを期待する。そのことによって、ジェンダーギャップ指数が121/153位という残念な状態も変えることに繋がるのではないだろうか。
COVID-19の最初の大規模アウトブレイクが中国の武漢市で起きたために、対岸の日本での感染拡大は大きな危機感を持って迎えられた。だが、中国での感染拡大がピークを迎えた後のこの1週間の動きとして、
各国・地域における新型コロナウイルスの感染状況(外務省発表)によれば、韓国、イラン、イタリアの感染者数増加が著しく、次いで、ドイツとフランスも日本の数を上回った。(注:このサイトでのスペインの患者数が日本より多いのか少ないのかについては、本日、3月8日時点で矛盾がある。また日本の感染者数としては顕在化されていない分もあるかもしれない。)
専門家から一般の方にもわかりやすい
COVID-19についての解説パワーポイント資料が3月5日に公開されていた(作成者は倉敷市中央病院 感染症科医師 上山伸也氏という方)。過去の世界規模の感染症(スペイン風邪、SARS、MERS、新型インフルエンザ等)や、一般的な麻疹・風疹との感染力や致死率の比較が為されている(下図)。
感染したのでは、と心配な方は、こちらの東京都のサイトがわかりやすい(もちろん、相談窓口はそれぞれの地域の方にお願いします)。むやみに医療機関を訪れるのではなく、自宅静養を基本とすべき。この点も、「少々熱があっても出勤する」という日本の働き方を改革することに繋がってほしい。
結論として、標準的な予防策(手洗い、咳エチケット等)がもっとも重要(下図は上記の公開PPTより拝借)。もちろん、軽症や無症状の不特定多数の方がいる人混みを避けること、睡眠、栄養、適度な運動も忘れずに!