緊急事態宣言は対象を全国にしたまま、5月末まで延長されました。「
実効再生産数」つまり1人の人が何人に感染させているのか(この値が1を切れば、徐々に感染する人は減っていく)のピークは、振り返ってみれば3月29日〜4月1日であったのではないかと推定されていますが、当時は陽性者を受け入れられる病床のキャパシティの問題もあり、その時点で行動規制を緩めることはできなかったと思います。実際、日本集中治療学会のデータによれば、全国で人工呼吸器およびECMOを必要とする患者数のピークは、4月27日となっています(下記、厚労省の文書の中の資料)。
ともあれ、現在も引き続き国民には『徹底した行動変容』が求められています。
とくに、p9の「新しい生活様式」の実践例参照。
この中で「(4)働き方の新しいスタイル」として、以下が挙げられています。
・テレワークやローテーション勤務
・時差通勤でゆったりと
・オフィスはひろびろと
・会議はオンライン
・名刺交換はオンライン
・対面での打合せは換気とマスク
この際、ぜひ徹底して頂くのが日本の職場環境の改善につながると思います。さらに言えば、テレワークを推進することを拒んでいる紙ベース、押印の文化を打ち破り、事務処理の徹底したオンライン化について、この際、ぜひ進めて頂きたいと思います。
(ふと思いついた川柳を一句、「コビド(COVID)なら、やればできるね、テレワーク」)
もう、すでに私の周りでは上記が徹底されていますが、今のところ、困ることはほとんどありません。ただ、学生さんが研究室で行う研究活動については、そろそろ緩和して頂けると良いと感じます。同様に、いわゆる文系の先生方にとって、図書館休館はたいへんご不便をおかけしていることもあり、ソーシャルディスタンスを保つ形で書籍貸し出しなどが再開されることを望んでいます。
現在、自分が関係するいろいろなミーティング等をどんどんオンライン化しています。研究室のセミナーも、医学部生対象の特別ゼミなども(ゼミはむしろ、対面で行っていたときよりも参加者が多かったくらい……)。また、過日は東北大学の女性研究者のネットワーキングのためのオンラインランチミーティングも行いました。合わせて学際融合研究推進のためにSlackのワークスペースも用意しました。このような活動は、前年度までにも行いたかったのですが、日々の業務やイベントに追われて叶わなかったものを、実現化しつつあります。
連休後半の本日は、朝9時より西海岸、東海岸、アジアを繋いだwebinarでした。参加者は400人を越えていましたが、500名を越えても大丈夫なように、YouTubeとも連携したシステムになっています。スタンフォードのAaron Gilterが声がけして始まりました。毎週火曜日9時は学内の定例のオンライン会議があるため参加できなかったのですが、今日は子供の日だったので初参加。
セミナーが始まるまでの話題は「そっちはいつまでロックダウン?」というのがほぼ一般的。厳しいところでは6月末くらいのようです。今日はちょうど、慶應の岡野栄之先生もログオンされていました♫ 皆さんのヴァーチャル背景も個性があって面白い。
主要な科学雑誌がほとんど電子媒体として読めるようになり、学外からもVPN接続が可能となったために、論文を書いたりする作業や、バイオインフォマティクス解析等はテレワークでも十分可能ですが、動物や細胞の維持は必須なので、そのような作業をするテクニカルスタッフのみ出勤が許されているというような研究機関が多いようです。
オンラインのWebinar(web+seminar)は、スライドはよく見えて良いし、ソファに寝転がって視ることも可能。でも、学会のような形でこれを朝から晩まで視ることができるかというと、ちょっと厳しいかもしれません。情報量が多いのか、疲れますね・・・
まだしばらく、このような生活が続きますが、研究者としての活動で嬉しいことの一つとして「国際会議での発表と外国の研究者との交流」があるため、オンラインでヴァーチャルにどこにでも行けるとはいえ、このまま、どの国も鎖国が続くのはちょっと寂しいです。