動き出した新制学術会議
2006年 04月 11日
今回は、数ヶ月前から日程のご連絡がありましたので、2日間フルに参加しました。
連携会員の選考でもたついていて、それぞれの分科会も発足しないし、どうなることかと思っていましたが、一応、今回の総会をもっていよいよ本格的な新制学術会議が始動し始めるという印象を持ちました。
旧「研連」を廃止するということに伴う制度変更は思いの外、大変だったのだと拝察します。
さまざまな分科会(例えば「基礎生物学委員会」の下に置かれる「分子生物学分科会」など)が本当に動き始めるには、まだ、さらなる連携会員の選考(最終的に2000名をめざす)なども必要かもしれませんが、とにかく「走りながら考えよう」的スタートのようです。
一方、「部」を超えた「課題別委員会」の中の、例えば「科学者の行動規範に関する検討委員会」などは、12月末からすでに6回の委員会を開催し、まもなく「行動規範(暫定版)」を提出し、さまざまな学協会や研究機関からのコメントを求めるというアクションを取るところまで来ています。
今回の改革のポイントは「真に自律性をもった科学者コミュニティーを形成する、社会に有用な提言を行う、提言浸透のために政府との関係を緊密化する、国際協力や広報を充実させる」ことを目指しており、「広報」の部分では「学術会議サイエンスカフェ」をまもなく科学技術週間に行うというのも、そのアクションの1つです。
ところで、初日の総会の折に、山折先生という方が人文学(哲史文)の衰退を嘆く内容の講演をされました。
世界的にどういう状況なのかは門外漢なので分かりませんが、例えばダニエル・デネットなどのは、生命科学の進展を咀嚼した上で独自の哲学を展開されていますし、私に言わせれば、茂木健一郎さんの活動は、脳科学というより哲学かなと思います。
まあ、でも、こういうお話を聴く機会は他ではあまりないので、貴重なご意見として頭に残しておくことにします。
*****
日曜日のエントリーにたくさんコメントを頂いていますが、他にも用事があって今日はレスポンスする元気がありません。
あしからず。