メイドカフェ、執事カフェ、サイエンスカフェ?
2006年 04月 23日
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今日、お茶の先生のお誕生会のランチをご一緒した折、年下のお友達が「うちの母が昨晩テレビで見たというのですが、『メイドカフェとか執事カフェとかあるけど、最近サイエンスカフェというのもできたらしいわよ』と言ってましたが、いったいどんなカフェだったんですか?」と聞かれて、思わず噴出しそうになりました。
「うーん、神田の三省堂の喫茶店で30人くらいの人を相手にトークをして、そのあといろいろ議論したり質問していただいたりしたんだけど。とくに白衣を着て話したわけでもないし、コスプレ系じゃあないカフェです(苦笑)。」
でも、こういう話題がお茶のお友達との間でできるだけでも、距離は少しだけ縮まったということなのでしょう。
昨日の話でも、1つだけ遺伝子の名前を出しちゃったのですが(打ち合わせのときには、一切出さずにやります、と言ったのですが)、やっぱり、とたんに聴衆の理解力が落ちるのが目に見えて分かりました。
公開講座などでも、その傾向は感じていたのですが、相手が30人で狭い空間で行うと、よりはっきりしますね。
私が扱う分子の中心は転写制御因子といわれるタンパク質で、その働きは必定、「他の遺伝子のスイッチを入れる(切る)」なので、常に子分の遺伝子たちを抱えている状態ですから、その説明もしなければならなくなると、結構そこで時間がとられます。
昨日のトークでは、具体名を出さずに「<ある遺伝子>に傷がつくと・・・」という説明もありだったのですが、Pax6という具体名を出してしまいました。
自分がDNAやらタンパク質やら、あるいは細胞の中の小器官の配置や機能や、そういったもろもろのイメージをいつから抱いたのか思い出せないのですが、大学1年生相手に細胞生物学の授業をすると、彼らは砂に水がしみこむように、さほどの抵抗なく受け入れてくれる気がしています。
(SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の生徒さんなどは、すでに十分な知識をもっている人も多いです。)
それよりも大人相手に話をするときには何か抵抗感が感じられます。
これまで「何が分かっていないのかが分からない」状態で手探りしてきましたが、少しずつ見えてはきました。
そして、遺伝子同士の関係などを説明することが一番難しい、また、遺伝子とタンパク質の関係というのも案外難しいのだと悟りました。
5月に未来館での公開シンポ、6月に東北大のサイエンスカフェがありますが、「遺伝子」を避けて通らずに、さらにチャレンジしたいと思います。