アルキメデス的アメーバ

昨晩は久しぶりに仲良しの数学科の友人Kさん、医学系研究科のNさん、法学研究科のNさんがうちに来て、夕飯(+アルコール)を頂いた。
めにうは以下の通り。
・アボカドカップ蟹風味
・モッツァレラチーズ、空豆入りサラダ(医Nさん作)
・お豆腐とアボカドのサラダ(医Nさん作)
・皮なしキッシュ(ブロッコリー&サケ版)
・豆類3種蒸しただけ(胡麻ソース、シーザーソース)
・鶏とパプリカの煮込み
・アンテノールのフルーツ満載ケーキ(法Nさんお持たせ)
飲み物は、スプマンテ、カリフォルニアのピノノアにトスカーナのブルネロ(Kさんお持たせ)

例によってKさんは面白い話題を提供して下さるのだが、今回は「アルキメデス的アメーバ」だった。
順序体 K が次の条件
*ε > 0, L > 0 を任意にとるとき、nε > L を満たす自然数 n が存在する。
を満たすとき、アルキメデス的であるあるいはアルキメデス順序体であるなどという。また、この条件をアルキメデスの原則あるいはアルキメデスの公理とよぶ。アルキメデスの公理における ε はいくらでも小さく、そして L はいくらでも大きくとって構わない。なお、特にアルキメデス的でない順序体を指すときは非アルキメデス的という。
(Wikipediaより)

で、さまざまな式を図で表すと、とんがった突起があって(<無限に>長いらしい)、その形を見て、「アルキメデス的アメーバ」と言う。
(非アルキメデス的アメーバもいる)
で、その後がついていけず、どうしてそうなるのか説明できないのだが、このアメーバを「コンパクト化」することが可能で、そうすると図で突起が無くなってしまう。
K「面白いでしょ?」
仙「まあ、突起が無くなるのは分かるけど・・・」

数学の方はときどき面白い比喩を用いて、(多くの場合)自分でウケておられる。
あまりに抽象的な世界であるにもかかわらず、実体験に近い比喩を持ち出すのが不思議なのだが。
「鶴の恩返し」は先日Kさんが量子コンピュータで計算させている間はそれを計測しはいけない、ということの比喩として、「機を織っている間は覗かないで下さいね」という「おつうさん」を持ち出したものだ(エッセイ集、河北新報コラム参照)。
ちなみに、鶴の恩返し的伝説・神話は世界中にあって、例えば、ギリシア神話で亡くなった妻を黄泉の国に向かったオルフェウスなども「絶対振り向いては駄目」という条件を破ったことによって悲劇に終わる。
イザナギ、イザナミの古事記の話も、「覗かないで」という約束は破られる。
ま、「見ないで」と言われると見たくなるというのは、数千年変わらぬ本性なのでしょう。

仙台も新緑が美しい季節になりました。
今日はちょっと風が強いようですね。
by osumi1128 | 2006-05-05 12:20

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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