「解けた」という感覚
2006年 05月 11日
まあ、裁量労働制なのだから、どこで仕事をしていても本来構わないのだが・・・
さて、お昼前にペン太さん@KO大を訪問させていただき、興味深いお話を伺うことができ、サイエンス面では本日はこれが一番大きな収穫。
詳しくはペン太堂本舗の方をご参照いただくとして、といっても、中身はconfidentialであるが、私としては「腑に落ちた」という気がするディスカッションだった。
ちょうど、ジグソーパズルが上手く収まるとか、ミステリーの全体の構図が見えるとか、そんな感覚。
研究上の興味としては、これでかなりの部分が達成されてしまうのだが、「論文」という作品に仕上げるのはまた別の労力が必要であり、現場の研究者にとってはむしろ、ここからが正念場でもある(M2号さん、頑張ってね!)。
<以下やや不適切な記載があるので、Kさんによるコメントもご参照下さい>
数学科の友人Kさんの話によれば、「ポアンカレ予想」を解いた、とされるロシア人数学者(名前忘れました)は、それを論文の形にしていないのだという。
で、他の数学者が必死に「詰め」の検証をしているらしい。
その研究者にとっては「解けた」という感覚が得られれば、もうそれ以上興味の対象ではないのかもしれないが、実験科学の分野はそういうわけにはいかない。
それに、ある時点では「解けた」ように思えることでも、しばらくたつと論理のほころびが見えてきたり、新しい測定技術などができたときに、実は違った、ということもある。
素粒子などの発見の歴史も、そういうことの繰り返しだが、生物学はもっと個別の事象についてそれを追いかけている気がする。
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夕方、父がノルウェーから表彰されるというので、ずっと一家離散的パターンだったうちの家族(父が単身赴任していたため)にしては珍しく、母と私もお呼ばれしてお祝いの晩餐会に大使館まで行きました。
Informalで、というドレスコードだったので小紋に着替えましたが、まだ時間がたっぷりあるというのに、母はそわそわして「もう行く?」(うーん、お年寄り的行動パターン)
場所は港区の有栖川公園近く、スイス大使館の向かい、他にも大使館がいろいろあるエリア。
大使館の建築家が誰か聞きそびれましたが、壁にはムンクのリトグラフや素描がたくさん飾ってありました(最初、似てる画風だけどサインがないので誰だろうと思っていましたが、ムンクは売る作品にしかサインしなかったとのことです)。
王様からの勲章を頂き、全部で12名ほどの着席の会でした。
日本人は他に父の仕事関係でお世話になっている方々。
お料理は、ノルウェーサーモン、タラバガニなども出ましたが、基本的には普通のフレンチ。
ちなみにシェフは本当はスウェーデン会館(だったと思う)付きの日本人の方。
滅多にしない親孝行のために有給休暇を使った次第。
やれやれ・・・明日は7時代の新幹線で戻らないと、ジャーナルクラブが私の発表担当(涙)。