H-index
2006年 05月 20日
午後からラボに行って、いくつかの書類を仕上げ、ポスドクさんを誘ってタリーズでお昼をテイクアウトし、戻って大学院生の生データを見たりして、ふと気が付くと4時くらい。
そうだ、今日は加齢医学研究所の所長就任のお祝いの会だったということで、家に戻って着替えてお出かけ。
今日はなんとお祝いの言葉を依頼されていた。
数日前に幹事の方からお電話があり「あのー、スピーチをお願いしたいのですが・・・」
「いえ、私なんてとてもとても・・・」
「しばらくご歓談の後ですから、是非」
「そうですか、それでは・・・」
と、断れない性格で深く考える前に引き受けてしまったはいいが、よく考えると私はそのF先生を長く存じ上げていないことに気が付いた。
「ねえ、引き受けちゃったんだけど・・・」と助手さんに言うと
「なんか、結婚式のスピーチで新郎新婦を知らない叔父さんが話すみたいなものですね」
「そうだよね。『ワタクシは新郎のお父様をよく存じ上げているのですが』の代わりに、『あの有名な某K先生の先輩にあたるF先生は・・・』って言ってもなあ・・・」
と悩んだ末に、スピーチでは「お願い」をしてしまうことに決定。
「加齢研は今だ女性教授がいない部局なので、是非、F先生の所長の在任中に実現させて下さい。F先生ならそれができると信じています☆」という話で締めくくった。
F先生、くれぐれも健康に留意されてください。
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ところで、神経科学者SNSの方でH-indexというものを知った。
<以下、Misoさんによるコメントをもとに修正します>
これは詳しくは
自分の論文を引用数順に並べ、上から順位をつけます。上から見ていくと、あるところで順位が引用数を下回るはずです。この境目の、小さい方の順位がH-indexになります。つまり、上から数えて10番目の論文の引用回数が12回だとして、11番目の論文の引用回数が9回とすると、H-indexは10になります。あるいは100番目の引用回数が150として101番目が50だと、H-indexは100になります。元論文はPNASに出ています。
http://www.pnas.org/cgi/content/abstract/102/46/16569(Misoさんのコメントつぎはぎ転載)
これを簡単に調べるにはどうするかなあと思って試しにGoogle Scholarを検索したら、N Osumiを入力すると、デフォルトでそういう順番に並んで表示された。
この引用件数はISIの方よりも少なめに出るが(Takeshi SAKURAIさんのコメントより;私もそう思います。検索し直していないけど)、一つ一つ調べなくても一覧になるので楽。
それなりに業績を上げれば、研究年数が長くなるほど当然のことながら値は大きくなっていく。
また、引用件数をベースにしているので、研究者人口の多い分野の研究者ほど高いH-indexになるだろう。
脳科学など、手法も平均著者数も大きく違うような分野はひとくくりにはできないということだ。
1,2報、数百の引用数のある論文(つまりホームランですね)があるだけではこの値は高くならないので、どちらかというと、確実にヒットを打つタイプの研究者にとってはそれを示す値になるように思う。
また、まだ論文の数が少ない大学院生やポスドクの方の評価には向きませんね。
ちなみに、神経科学者SNSのやりとりでは、アメリカ?ではH-indexが30以下の研究者にはgrantの審査をさせない、という
ちなみに、Misoさんによれば神経科学分野ではJohns HopkinsのSol SnyderがH-indexgが
研究者にも寡作な人もいれば、マシンガンのように論文を出し続けるタイプの方もおられる訳で、そういういろんなタイプの研究者がいること自体がこのsocietyを支えるのに大切なことなのではないかと思う。