草の匂い
2006年 05月 22日
他に、いつもの数学科K先生を始め、東北大学の理系女性研究者が合わせて4名のワークショップだったのだが、会場は女性で埋め尽くされている、という点が、普段のトークとの大きな違い。
ゾンタクラブとは「女性の地位向上のために共に働く事業経営者や専門職の人々の国際的奉仕団体」であり、ゾンタというネーミングは、アメリカのスー族の「誠実・信頼」を意味する「ゾンタZONTA」から付けられ、そのメンバーは「ゾンシャン」と言われる。
1919年11月8日アメリ力のニューヨーク州バッファロー市に創立され、本部は1928年1月に、 イリノイ州シカゴに設立。
「誠実と奉仕」をモットーに、2005年現在世界67ケ国1,200以上のクラブがあり、 33,000人もの会員が活動しており、日本国内には44クラブ1,000人近くの会員がいるという。
要するに、いわゆる「女性団体」ですね。
参加者は今回150名弱とのことだったが、この数のオバサン集団は非常に迫力があり、普段(ラボの中は別として)男性が80%以上いる環境で生活している私には、むしろ怖さを感じる。
会場には私よりも年下かもしれない方はおられたが、それは少数。
中心となっているのは50代半ば〜後半の方々なので、私にとっては一世代年上。
うちの学生にとっては私も十分オバサンであり怖い存在かもしれないが、やはり数の力というのは驚異を感じる。
こういう団体の方々が実際、選挙ではカードを握っていたりするらしい。
(自民党の票田という話を聞いた)
私は例によって「脳と遺伝子」の話をしたのだが、K先生は「離散幾何学とランダムウォーク」、工学部のH先生はどちらかというとご自分の経歴のお話、農学部のO先生は「南極の生物」のお話と多彩な内容。
K先生の数学のお話を聞きながら、「数学って、実は解き明かしたい概念を言葉に表せた時点で半分以上終わっていて、綿密な数式による<証明>っていうのが、ウェット系の実験に相当するのだなあ・・・」と思った。
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まだ日の明るい頃にラボに戻って来たが、医学部キャンパスの植え込みの下草が刈り取られて綺麗になっていた。
防災センター職員(つまり、守衛さん)が行って下さっているのだが有り難い。
辺りに<草の香り>が満ちていて、幸せな気分。
私が大学時代から長く過ごした大学は、お茶の水駅の真ん前にあり、キャンパスの地面はすべてコンクリートやタイルで覆われているようなところだった。
当時は便利でそれなりに楽しい生活だったが、今となっては、その違いに愕然とする。
一仕事した後、K先生を呼び出してご飯(+ワイン)を頂きに定禅寺通りまで出る。
ひとしきり「ゾンタ」についてのコメントを言い合ってストレス解消。
「でもオオスミさんと私のコピーが、だーっと100人分くらいいたら、それはそれでコワイんじゃない?」と言われ、確かにそうだと思う。
脈絡無い話題が出たが、「パンの焼ける匂いって幸せな気分だよね」ということで意見が一致する。
K先生は電子レンジを持っていないのに、パン焼き器をお持ちで、私はその器械に興味津々。
うちに置いても使用頻度は高くないが、ラボに置いておいたら私以外にも誰か使うかな?