トルコ桔梗

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トルコ桔梗は好きな花の一つだ。
薄紫やモーブ色、白地に縁が濃い紫のものなど色々な種類があるが、この花を世界に広めたのは「サカタのタネ」という日本の会社だということを今日初めて知った。

実は母の従兄が急に亡くなって、幸い新横浜の斎場での葬儀であったから、昨日の東京出張後、今日の告別式に参加したのだが、一人っ子の母が「吉統(よしとう)お兄ちゃま」とお呼びしていた故人は「坂田種苗」の頃から勤めておられ、会社の方の弔辞の中にトルコ桔梗のことが出てきたのだ。
「絶対売れるから」とリスク覚悟で売り出したのが叔父様だったらしい。
親戚の葬儀に参列したのは久しぶりになるが、仕事でもプライベートでも花に詳しく、花をこよなく愛していた伯父様は「菊は持ちが良すぎるからやめてくれ」と言われていたとかで、祭壇には白を基調としながらも薄紫のストック、淡いピンクの百合、薄緑やピンクのカーネーション、淡い色調の薔薇、さまざまな色のデイジーなどなど満載で、さながらお花畑のようだった。

伯父様は千葉大園芸学部で助手までされた後に会社に入られたそうで、「産業の世界と文化の世界の両方を理解される方でした」と弔辞で言われていた。
技術系で入社され、最後は専務取締役まで務められたこともあって、御葬儀には会社関係の方が多数お見えだったほか、台湾や韓国からも親しかった方々が参列されていた。
「花の学名を覚えなさい。学名は世界共通だから」と常々若い方達に言われたそうだ。

お目にかかったのはたいてい法事関係なのだが、笑うと小さな目が余計に小さくなって、でもいつも優しい笑顔だった。
「何でも凝る方」と母からよく聞いたが、マドラーとコースターのコレクションもされているということを伺ったのは、もう20年ほど前になる祖父の法事の頃だっただろうか。

冠婚葬祭で親戚が集まると、形態学が好きで、しかも学部時代・大学院時代からの影響もあってヒトの顔に興味のある私としては、「この方のこの面影は誰々に似ている」などと、ついつい分析してしまう。
伯父様の一人娘のトモコさんは、本当に伯父様似だ。
母の従姉のお一人で「操(あや)ちゃん」と呼ばれている伯母様は、たぶん一番、亡くなったうちの祖母に似ている。
祖母は細雪さながらの女ばかり四姉妹の三番目だったのだが、その鼻筋は姪にあたる伯母様に伝わっているが、母には遺伝せず、結果として私にも伝わっていないのが残念だ。
でも、祖母の残した着物を見ると、不思議と趣味が一致していることに気づかされる。

今日の宗派は「真言宗のナントカ派(聞き取れず)」で、菩提寺の極楽寺(たぶん鎌倉)からご住職が出張されていたが(プラス、もう一人導師がおられた)、さすが密教のお経は呪文っぽいリズムだった。
京極夏彦の小説の何かに出てきたような気がする。
使われた銅鑼のような楽器?の音色は、中国の伝統音楽で聞くようなものだった。
いろいろな仏教の中でも、あまり日本に馴化されていない宗派なのだなあと感じた。

仙台に戻らなければならず、出棺までお見送りしてきた。
伯父様、どうか天国で綺麗なお花に囲まれてお過ごし下さい。

* *****
秘書さんに電話して、有給休暇の手続きをしてもらっていたので、仙台に戻ってまず、歯医者さんに伺って金属を詰めて頂いた。
1週間ぶりに治療した側で普通に咬むことができるのは、なんと有り難いことか(感謝!)。
削ったところの治療は今日で完了だが、このあとしばらく歯石除去等に通うつもり。

ラボの中は発生生物学会に行っている人もいるので、ちょっと人口密度が減っている。
お土産話が楽しみだ。
by osumi1128 | 2006-06-02 23:41

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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