白銀比
2006年 06月 03日
今日の午前中は掃除で始まったのだが、何となく最近、掃除機のパワーが落ちたような気がしてならない。
やはり高級機、ダイソンを求めるべきだったか?
最近のダイソンの宣伝はさらに、他種との性能の差を見せつけるようになっていて気になる。
クリーニング屋さんに冬物を出し、研究室に行く道すがら、今月末の東北大学サイエンスカフェの会場であるメディアテークのカフェの店長さんにご挨拶に伺う。
お電話でコーヒー関係の打合せはしたのだが、やはり実際に会っておきたかったのだ。
このカフェはベルギービールを目玉にしていて、他にパニーニなどのサンドイッチなどの軽食が食べられる。
もちろん、コーヒー他のソフトドリンクもある。
今週は出張がちの週だったので、いろいろな積み残しというか、未処理の案件がある。
もっと出先で処理可能なように、メール管理を持ち歩きPowerBookの方に移管しないと駄目かも。
7月末からは2週間の渡米を予定しているので、それまでになんとか考えないと。
秘書さんにすべて対応してもらうのも大変だし、まだそういう年でもないと思うから。
普通の週末なので、夕方ジムに寄った。
30分余走るのがぎりぎりの時間になってしまったが、行かないよりはマシだろう。
さて、その途中に、昔、仙台随一という料亭「八百粂」があったのだが、昨年末に取り壊されていたものが、今日ふと見上げると新しいビルに変わっていた。
今流行の現代建築で、表側に薄緑系のガラスが前面に貼られていて、軽いイメージのデザインになっているのだが、建築家は誰なのだろう?
そもそも、どこの会社のビルなのかもよく知らない。
ま、別にどこでも構わないのだが、美味しいレストランでも入ればこちらとしては申し分ない。
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それで思い出したが、八百粂は私が初めて芸姑さんにお酌をして頂いた店だ。
8年前に赴任して初めての教授会忘年会は、まだこの八百粂を使っており、広い座敷に高足のお膳がずらっと並ぶという、古式ゆかしいスタイルであった。
で、芸姑さんが数名アテンドされており、踊りなども数曲披露された。
こちらは、とにかく「目が点」状態でびっくりしたが、向こうもこんなお座敷に女がいることが不思議だったかもしれない。
・・・この話は、当時いろいろな方に喋りまくったので、ご存じの方もおられるだろうが、実はその結果、Nature Japanのとある記者に変な引用をされて、私としては少なからず傷ついたという後日談がある。
つまり、「日本のサイエンス業界はこんなに遅れている」というジャパン・バッシングの材料を提供したことになったのだ。
八百粂がつぶれたのは、医学部教授会で使わなくなったからだけではなく、時代というものだろう。
私が初めてアテンドしてもらった芸姑さんは、皆私よりも10歳、20歳お年上に思われたから、そういう伝統的職業の後継者が仙台にいなかったということもあるに違いない。
京都ではさすがにまだ若い世代が入ってくるらしく、友人のKさん(東北大ではない)のご披露宴の折に数名来て下さったのは、まだ若い方達だった。
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さて、「白銀比」というのを今日、とある民放を見ていて初めて知った。
皆さん、「黄金比」や「黄金分割」はご存じであろう。
ワイドテレビとか、名刺などの縦横比であり、9:16(もしくは5.8)で近似でき、もっと詳しくは
1:1.6180339887 4989484820 4586834365 6381177203 0917980576 2862135448 6227052604 6281890244 9707207204 1893911374 8475408807 5386891752 1266338622 2353693179 3180060766 7263544333 8908659593 9582905638 3226613199 2829026788 0675208766 8925017116 9620703222 1043216269 5486262963 1361443814 9758701220 3408058879 5445474924 6185695364 8644492410 4432077134 ...
となる比率であり、正確には1:1+√5/2で表される。
(すみません、この箇所はWikipediaからコピペしました)
フィボナッチ数列の隣り合う2項の比が黄金比に収束するということも面白いが、例え巻き貝の曲線とか、結晶などにも見られ、自然の中に黄金比があるとよく言われている。
人工の美術品や建造物にも多く、パルテノン神殿の立面図の縦横比が黄金比であるというのは有名な話だ。
さて、「白銀比」とは、1:√2=1:1.41421356…であり、こちらはA3とかA4の用紙サイズに採用されていて、実はお馴染みの比なのであるが、その名称を初めて知った。
黄金比の長方形から、その1辺の正方形を切り取ると、残りの長方形の縦横比が黄金比になるというのに対し、白銀比ではご存じのように、長方形の長手方向に半分すると元と相似な白銀比の長方形になる。
実は、この比率は聖徳太子の手にする曲尺(指矩)の表裏に記されているという。
裏目として「角目」と呼ばれる目盛り(√2を掛けたもの)が刻まれているのだ。
白銀比は、いわば「和の美」の定番比率らしい。
黄金比を5:8とすると白銀比は5:7とやや太め?になるのだが、その民放ではモナリザやオードリーヘップバーンの顔の中には黄金比が隠されているのに対し、日本の(見たところ飛鳥調だったが)仏像のお顔では白銀比になっている、というような例を示していた。
そもそも、「美しい」と思うのは脳の働きだと思うが、何故このような比率に美を感じるのだろう?
美しい響きの和音は明らかに、周波数が比例関係にあるが、では何故そのときに美しさを感じ取るのだろう?
どこまでが生得的なもので、どこからが、経験によって繰り返し「美しい」と教え込まれたものなのか?
とても魅力的な謎解きだと思う。