Shaken baby syndrome補足
2006年 06月 07日
そちらによりますと、日本語ではshaken baby syndrome=揺さぶられっ子症候群、ということらしいのですが、小児神経学会でA先生から伺ったお話とは、若干定義が違うように感じられます。
私は小児医療の専門家ではなく、また「揺さぶられっ子症候群」という言葉は知らないのですが、A先生のお話ではNelson小児科学などを引用されつつ、事故、落下、転落等で受診された児のCTやMRIの画像解析から、shaken baby syndromeと判断されるケースがある、ということでした。
つまり、ここでは「激しい揺さぶり」が虐待の一つの徴候であると捉えられているように思います。
もう一人、非公開コメントを頂いた方がwebからの情報を貼り付けて下さったので、一応そちらを転載します。
<The shaken baby syndrome>
The shaken baby syndrome, sometimes called the "shaken-impact syndrome," or the "infant whiplash syndrome," describes a constellation of inflicted injuries in young children thought to be caused by violent shaking [1-3]. Characteristic clinical features include subdural hematoma, occult fractures (particularly of the ribs), and retinal hemorrhages. Multiple episodes of shaking may occur before the abuse is detected [4-7]. Thus, early recognition can be life-saving.
前のエントリーにも書きましたが、1メートルのベッドから転落しても、頭蓋骨折や脳内出血などは起こさないことも多いとのことでした。
また、問題は、虐待している親がその現状を医師に伝えることはほとんどない、ということです。
「車に乗っただけ」という話が本当であるかどうかは、その子供が喋れなければ分からないのです(あるいは喋れる年齢でも怖くて喋れないかもしれません)。
A先生は小児放射線科医という立場から、脳の画像の中に虐待の既往が認められる場合があるので、気を付けましょう、ということを聴衆である小児科医の方々に伝えたかったのだと思います。