Shaken baby syndrome最終エントリー
2006年 06月 09日
何がお望みですか?
虐待により頭蓋骨骨折や脳内出血を招き、その結果として失明や精神遅滞に至るということに対して「許せない」とこのブログに書いたことは、不適切なので取り消しなさい、ということですか?
最初のエントリーから変わらず、このような行為を「許せない」と思う気持ちは変わりません。
また、最初から、このような症状を招くことが通常のあやし等で起きる訳ではないという認識に立った上での意見を書いているつもりです。
stさんという方からの「科学者とて人間です。専門外のことは一般の方と同じように反応されても仕方ないのではないのでしょうか。」というコメントは(好意的に書いて下さったのだとは思いますが)当たってはいません。
私は、脳の発生発達を研究しています。
(最初のエントリーにも書きましたが)精緻な遺伝的プログラムと、複雑な環境要因と、両者が相まって脳が発生発達していく、そのメカニズムを解き明かすことによって、好ましい発生発達には何が大切か、ということを日々気にして生活しています。
したがって、だからこそ、そういうことはご存じない方よりも恐らくより強く、人為的な破壊行為は許せないと思います。
上記は<一般論>です。
それが故意であったか、そうでなかったか、程度が実際に(本当に)どうであったか、何故、そういう行為に至ったか、ということについては事例別の個別の議論であって、扱うことができません。
一応、A先生の名誉のために、念のために加筆しますが、「許せない」と思っているのは「私」であって、A先生は講演の中でそのような言葉を使われた訳ではありません。
小児放射線医として、症例から疑問を感じたら小児科医等に指摘すべきである、ということがtaking-home messageでした。
今回のエントリーには思いの外たくさんコメントを頂きました。
terralianさん、私も二児の親さん、かえでさん、有難うございました。
(OCさん、翻訳本の間違い発見、有難うございます。今第二版の訳出中ですので、気を付けて改訂します)
また、個人メールの方にもメッセージや関連論文をお送り下さった方もおられ、いろいろな方が心配して下さっていることも分かりました。
一つ前のエントリーでも書きましたが、“二児の親”さんが小さなお子さん二人を抱えて悪戦苦闘されていることは、心から尊敬致しますし、私が<許せない>というような行為をする方ではないと信じております。
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ここまで書きましてふと見ましたら、前のエントリーに対して“二児の親”さんからコメントを頂いておりました。
エントリーせずに済まそうかとも思いましたが、頂いたコメントを無にしないために、やはりこの話題最後のエントリーをしておきます。
今日から仙台も梅雨入りです。