The 3rd visitor
2006年 06月 14日
医科歯科時代に数ヶ月重なっている後輩、Iさんに3年ぶりに再会。
発生生物学会のシンポジストとして呼ばれて来日されたことに伴い、仙台まで足を伸ばしてもらった。
ちょうど、中胚葉の初期発生におけるHox遺伝子の機能についての論文がNatureに載ったところでもありタイムリーなセミナーとなった。
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私自身は、午後に医学部2年生相手に発生学の講義を2コマ担当していた。
伝統的に、メディカル系では「発生学」は「解剖学」の講座が担当し、その枠の中で教えることになっていた。
これは、「発生学」が「記述」の学問であった時代であればまあ良かったかもしれない。
だが、今や発生学は分子発生学の時代になっているので、基本的な生化学、分子生物学、遺伝学を教えた後でなければ、本当にその重要性や面白さを伝えることは難しいように思う。
しかし、そうではあるが、案外、大学2年生の頭なぞは大人に比べたら柔らかいもので、どんな順序で教えようと、それなりに理解もされるし、最適と思われるカリキュラムを組んだとしても、パーフェクトに伝わるかというと、そうでもない。
結局は授業をするその担当教員の熱意や好ましさが伝わるものであると信じている。
現在東北大学医学部の授業は1コマ1時間になっている。
伝統的に大学の授業は1コマ90分というのが標準と思うが、それが3分の2に減らされるというのは、結構辛い。
「あれも、これも言いたい」のを削らなければならないのだ。
結局、質問時間を取れずに終わったことは心残りだ。
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夜はビジター3人とうちのスタッフと学生さんで、医学部キャンパス目の前の無国籍料理の店に出向く。
イギリスから一時帰国のIさんは、「日本の食べ物は何でも美味しい」と連発しておられた。