IUBMB初日

国際生化学分子生物学会が今日から始まりました。
Opening Ceremonyに皇太子殿下がご臨席されるということで、セキュリティーチェックが非常に厳しく、またきっと直前までいろいろ段取りが大変だったのだろうなと推測しました。

長い会議の期間で私は前半に用事があり、今日から参加ということになりました。
Openeing Ceremonyは、当初天皇陛下というお話も出たらしいのですが、先日アジアにご訪問された直後ということもあり、皇太子殿下になったようです。
セレモニーを待つ間に傍にいた外国人参加者から、天皇制についてどう思うか、などの質問を受けました。
「女帝」などに関して何が今の論点であるかを説明し、私個人としては「家族の問題であるので、それは当該ファミリーに任せたい。ただし、日本のRoyal famirlyはきちんとトレーニングされた特殊な使命を担っていて、それは何物にも代え難い面があるので、存続してほしい」という意見を述べました。

例えば、1時間に渡るセレモニーの間に、(必ずしもご興味のある話ではないでしょうに)一秒たりとも居眠りすることもなく、気品のある姿勢でそれぞれの方々のスピーチに耳を傾け、その後、お言葉を述べる、という役目をまっとうに果たすのは、やっぱり皇室の方々ならではの任務かなと思うのです。
お小さい頃から、そういうトレーニングを受けてこられたのかなと、今日の皇太子殿下もそうですが、今上天皇もやはりそうだと折に触れお見受けします。
たたずまいが美しいということは、それだけで価値があると私は思います。
それは、放っておいて得られるものではないと思われます。

Openig Ceremonyとその後のLecturesの間に、Royal receptionの代わりとしてTea partyが設けられていました(参加者は特別講演等に限定です)。
外国人、とくに歴史の浅い国であるアメリカからの参加者は大喜びです。
皇太子殿下は学会主催者のH先生の先導により順々にテーブルの間を回られましたが、この会の招待者すべてとお話するわけにもいかず、難しいものですね。
私の知り合いのMBFさんなどは、自分の専門を説明した後に「殿下は水運についてのご研究をされていたということですが」「ええ、そうです。オックスフォードでも勉強しました」「それで、英語がお上手なんですね」などとお世辞を言っておられました。

******
今回の国際会議における任務の一つは、本日のHayaishi Memorial Lectureの座長でしたが、Co-chair personであった方に「僕が紹介するから、貴女は感謝状を渡す役だ」と言われ「???」
そんなこと全く連絡受けてないぞ、と思いつつ「ああ、そうですか」と答えたのですが、やっぱりねえ・・・。

本日最後のスケジュールはGet togetherという簡単な懇親会で、雨が降らなかったので宝ヶ池のお庭が楽しめて何よりでした。
知り合いに会ってお話をするのに時間を使うので、ほとんど何も食べられず仕舞いなのですが。

国際会議ではよく抄録集やカタログの入った「学会バッグ」が渡されますが、今回は黒いデイバッグの中に傘まで入っていました。
でも、数日に渡る国際会議で、2キロくらいありそうな抄録集を持ち歩く気はしないのですが・・・
ちなみに、北米神経科学学会では日替わりのタイトル集になっていて、持ち運びは楽でした。
配布されたCD-ROMを活用するしかなさそうですね。

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すみません、サイエンスの話の続きはまた明日ということで。

研究の話の続きは、さらに明日に回します。
ごめんなさい。
by osumi1128 | 2006-06-18 23:48

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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