不都合な真実

不都合な真実

北米神経科学学会に出席するためにシカゴ経由でアトランタへ。
セキュリティーはどんどん厳しくなっていて、しばらく前から、最終目的地に関わらず米国内の最初の着陸空港で入国審査および預けた荷物のピックアップをしなければならなくなったが、今回はさらにアメリカ国内便で「液体の持ち込み制限」が厳しくなっていた。
シカゴで次の便のためのセキュリティーでひっかかり、何かと思ったら、化粧ポーチの中に入っていた乾燥防止スプレー、香水、さらにはマスカラやリップグロスまで没収となった(涙)。
「持ち込みたかったら、ジッパー付きのビニール袋に入れること。さもなければ、ここで捨てます」
成田でちゃんとアナウンスされていたら、それなりの準備をしたのに・・・
「すみません、ドライアイなので、目薬だけは勘弁して下さい」
ということで、目薬は回収。やれやれ・・・

*****
「一人で映画館に行けない派」としては、新作映画を見るのはたいてい飛行機の中になる。
今回もシカゴ行きの機上で、先行上映の「The Break-Up」と「不都合な真実An Inconvenient Truth」という映画を見た。
前者はブラッド・ピットの前妻ジェニファー・アニストンが噂のヴィンス・ヴォーンと共演しているコメディーで、まあ、お洒落で軽いノリで可もなく不可もなくといったところ。
舞台がそういえばシカゴであった。

後者は、元副大統領、2000年に開票ミスにより一瞬だけ大統領になったアル・ゴアが、地球温暖化を中心とする環境問題を訴えるために出演している。
彼が各地で行っている講演(slide showと言われていた)を縦軸に、何故環境問題を重要と思うようになったかというエピソードを横軸に織りなした構成は見応えがあった。

科学者の研究結果に基づいて、しかも、最大限に効果を狙ったビジュアルなスライド(アニメーション等いろいろ含む)は、なるほどと参考になることが多かった。
ブッシュの科学担当ブレインの人が科学者の報告書を改竄して、地球温暖化は「理論であって事実ではない」という方向に世論を誘導したことなども暴露されている。
また、「温暖化対策をすると経済状態が悪くなる」という意見にも、きちんと反論している。
実際にゴアが全米各都市や世界で行っている講演のビデオなどを使っているので、おそらく制作費はハリウッド映画とは比べ物にならないくらい少ないだろうが、もともとの講演のslide showが良く作り込まれているので、かなり密度が濃いものである。

それにしても、あの大統領選挙でゴアが勝っていたら、911の対応はどうなっていたか?
(元貿易センタービルのあったグラウンド・ゼロも、極地の氷が溶けて水位が上昇すれば水没するらしい)
ハリケーンの増加も地球温暖化に起因するが、カタリーナに襲われたニューオーリンズに対して、もっと良い救援ができたのではないか?
(ちなみに今回の北米が時期がずれてアトランタ開催になったのは、ニューオーリンズが壊滅したためである)

日本公開は10月28日封切り。
必見です。
公式サイトはこちらになります。

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さて、飛行機を乗り継いで無事にアトランタに到着し、「現地アテンダントがいない場合にはタクシーに乗る派」の私は迷わずタクシー乗り場に直行。
地球温暖化には良くない行為であるが、超のつく方向音痴なので、余計なことで神経をすり減らしたくない。

15分程度でダウンタウンに着き、予約したホテルにチェックイン。
学会を通じてのホテル予約は、登録開始翌日くらいにはほとんど空いていなかったので、インターネットで個人予約し、予約番号等のお知らせを印刷した紙を持って、「ドクター・オオスミですが、予約はこちらになっていますが、2泊分はキャンセルしたいのですが」
フロントでコンピュータをチェックしていたお姉さんは「???」という顔をしている。
さらに他のフロント係とも何やら相談した挙げ句、「お客様、ご予約は<来年>になっておりますが・・・」
はあ・・・???
なんと、手元の印刷した紙にもよく見ると「2007年」と書いてある!!!
「私のミステイクです。でも、どうしたらいいでしょう???」
今から他のホテルを探すなんて、お願い、勘弁して! というかなり必死の顔だったはず。

そういえば、7月にホテルの予約はどうするかとポスター発表する元学生さんと相談していたときに「え? 本当にそのホテル取れましたか?」と言われたことを思い出した。
得意げに「大丈夫だったよ〜♪」と言ったことが恥ずかしい。

10分くらいの間、フロント係は奥で相談した挙げ句、「では、こちらがルームキーです」とカードキーを渡してくれてほっとする。
「あ、支払いの方はどうなっていましたっけ?」
「すべて、すでにクレジットカードで決済されているようです(にっこり)」
がーーーん。
つまり、2泊分、余分にすでに支払ってしまったということになる。
何か、1泊分だけ最初にdepositとして払うというはずではなかったかと思うが、仕方ない。

確か以前、インターネットで取引された株価の桁が間違っていて、東証が大騒ぎになったことがあったが、単純なミスが大事につながるということから言えば、被害額は微小とはいえ、結構落ち込んだ。(溜息)

落ち込みに加えて移動の疲れもあって辺りを探索する気になれず、夕方から数時間一眠りして、今は現地の夜中なのだが、日本でやり残した仕事を少しずつ片付けている。
インターネットは便利だが、海外出張している感覚がだんだん薄れてくるのはつまらない。
by osumi1128 | 2006-10-14 15:29 | 旅の思い出

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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