サイエンス・エンジェル@二女高

(追記しました)
久しぶりに週末仙台で過ごせるのでほっとしている。
朝寝坊してから衣替え第二弾をし、午後ひとつインタビューがあったことを思い出し、ぎりぎりセーフでラボへ。
さて、ようやく昨日の講演についてのエントリーである。

*****
昨日の講演は、東北大学医学部脳科学推進協議会がNPO脳の世紀推進会議によるサポートで行った「脳の科学と医学」というもので、宮城県第二女子高等学校(通称二女)にて開催された。
「脳の科学と医学」は本来、毎年3月の「世界脳週間」の一貫として行っている市民向けの講演会という扱いであり、仙台では今回で5回目になる。
2回目から、高校生を対象とした講演会を行っており、一女、一高、二高ときて、今年は二女という次第。

二女は本年創立102周年の歴史のある女子高で、校訓は「自主協調、明朗誠実、研磨創造」という。
高校案内パンフレットによれば
個性豊かな全校生徒が互いに切磋琢磨しあい、誇り高く常に成長し続ける、県内屈指の進学校

とのこと。
部活動やボランティア活動が盛んな様子が見て取られたし、校内には行ってまず印象的だったのが、「こんにちは!」とすれ違う生徒達から気持ちの良い挨拶の声をかけられたこと。
まずは校長の久力(くりき)先生にお目にかかってご挨拶。
もともと生物の先生で教科書も書いておられ、一女高のスーパーサイエンスハイスクール立ち上げに関わられたこともあり、今回の企画を楽しみにしておられたようだ。

総合司会には医学部のF先生をお願いし、久力先生のご挨拶の後、体育館に集まった全校生徒900名を相手に、講演「脳っておもしろい!」
中身は「脳のできかた、脳の中で一生に渡って神経細胞が作られること」を中心にお話ししたのだが、予定の時間よりも短めに準備し、質疑応答の時間を長くした。
さまざまな質問が出て、こちらも楽しかった。

今回、せっかく女子高で講演をするので、是非サイエンス・エンジェルさん達にも、自分の研究紹介をする機会を持ってもらえたらと考え、「杜の都女性科学者ハードリング事業」の次世代育成支援班の方にご了解を頂き、SA5名にも企画に関わってして頂いた。
5人のうちシニアな博士課程の3名には自分の研究内容を簡単に発表して頂き、さらに「サイエンス・エンジェルへの質問コーナー」の時間を長く取った。
講演をしなかった2名は、パンフレット・ポスター作成を通じて、女子高生へ科学の面白さを伝える役目を担ってもらった。

発表にあたっては、事前にリハーサルをしてパワポの確認も行い、「専門用語は極力少なく!」「遺伝子名は2つ以上は無理」「後で話さない内容はイントロに詰め込まない」などなどの改善を加えてもらったので、とても分かりやすいものに仕上がっていた。

質問コーナーでは、かなり研究内容に突っ込んだ質問もあれば、「挫折しそうになったときはどうするのですか?」「女性の方が向いている研究はどんなことですか?」などの一般的かつ身近なお姉さんに是非訊きたい、というものもあり、40分くらいの時間が本当に短く感じられた。

最後に、東北大学医学部名誉教授のT先生から「脳科学を皆で見守って下さい」というメッセージがあって予定の時刻に終了。
その後、久力先生は「まだ質問したい人は校長室にいらっしゃい」とお伝えになり、SA4名と私がいるところに、入れ替わり立ち替わり、数十名の女子高生達が来て、いろいろなお喋りをしていった。
横で見ていて、身近なロールモデルとしてSA達がいかに大切な存在なのかを感じた。
その時間、なんと一時間半であった。

今回は、NHK仙台支局の取材があり、昨日「テレまさむね」他のローカルニュースとして放映されたようだ。
残念ながら私は見ることができなかったが、K先生曰く「女子高生が、それぞれの個性を生かした研究をしていることがわかった、と話していた」
サイエンス・エンジェルの任務が全うされていることを実感。
また、エンジェル達も「女子高生からpowerをもらった」と感想を述べていた。

また、12月に毎日新聞理系白書と東北大学百周年記念セミナーとのジョイントシンポジウムが企画されているのだが、こちらにもSAが関わることから、理系白書のM記者も取材に来られた。
講演だけでなく、女子高生とSAのやりとりにも耳を傾けてメモを取っておられた。

*****
そもそも、サイエンス・エンジェルのアイディアは、昨年の今頃から「女性研究者支援モデル事業」の申請の準備を始めた際に、NHKの『ようこそ、先輩!』がヒントになったものだ。
ご存じの方も多いと思うが、『ようこそ、先輩!』は、いろいろな職業についた有名人の方が自分の母校の小学校に出向いて、2回授業をするという企画である。
これに倣って、女子大学院生が自分の母校の高校や中学校に行ってセミナーをし、科学の面白さや、理系生活の様子を伝えてもらったらよいのではないかと考えた。
もちろん、昨今、教員も出前授業等のアウトリーチをたくさん行っているが、少ない女性教員が行うよりも、サイエンス・エンジェルの女子大学院生それぞれが母校に羽ばたいていってもらえれば、もっと多くの理系少女にメッセージが伝わるはずである。

大学院生の出張については研究費使用上のさまざまな制約があるのだが、是非、来年度には実現させたいと支援室では考えている。
今回の二女高での講演は、そのためのトライアルという位置づけであった。

実際に行ってみて思ったのは、たぶんSA1名で行くよりも、2名以上をペアにして行ってもらった方が、いろいろな選択肢を見せる上で効果的だろう。
今回も、3名のSAがそれぞれ異なる研究内容を紹介したことが、「個性を生かした」という印象につながったように思う。
またこれは、SA同士の交流という意味合いもある。
講演そのものも大切だが、おそらくその後の質疑応答が一番重要かもしれない。
人と人が触れ合うことでこそ、大切なメッセージは伝わる。
by osumi1128 | 2006-10-28 16:34 | 東北大学

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