自著のこと・その2(翻訳作業)
2005年 05月 06日
私にとって翻訳とは、その本やその中に書かれた内容を消化するための1つの方法ともいえる。
ただ読み飛ばすよりもじっくり読むことになる。
まともに本1冊訳して、人様にお見せできるようにしてみるという作業をし、自分には比較的向いている作業かもしれないと思った。
また、研究室を主催する立場になって、どんどん自分で実験する時間が減ってしまい、隙間の時間でもできるcreativeな作業として、翻訳はぴったりであった。
論文執筆にはある程度まとまった時間が欲しい。
例えば2時間くらいは最低でもとぎれないで欲しい。
そうなると、なかなかweekdayの昼間には難しいので、夜間もしくは週末になる。
翻訳は本業ではないのでweekdaysには行わないのだが、基本的には隙間の時間でも可能。
私の場合はたいてい家に帰って寝る前の1時間などに行う。
あるいは、出張先への移動中など。
少しの時間でも、やれば進み、それを蓄積することができる。
(コンピュータを始めとするテクノロジーの進歩は、この点に関しては本当に素晴らしい。)
論文は自分でlogicを考える作業が必要だが、翻訳は「受け身」なので、自分でlogicを考える必要はない。
村上春樹と柴田元幸の『翻訳夜話』という新書に村上春樹が「小説を書くのと翻訳するのは、互いに補完する」というようなことを書いていた。
自分でやってみると確かにそうだと思える。