研究でワクワクする瞬間

実は今、とてもエキサイトしている。
1ヶ月ほど考えていた謎が解け、神経発生におけるある生命現象を上手く説明する仮説を思いついたからだ。
(その内容は残念ながらここには書けない)

ある学生が助手の指導により非常に興味深い知見を得ていたのだが、しばらくその説明がすっきりしなかった。
だが、数時間前に思いついた仮説は、これまでの知見になんら抵触することなく、実にシンプルに現象を説明できる。
この「シンプルさ」がとても大事で、それは「美しさ」を含む。
「美しいものには真実がある」
数学科の友人はそれを「式」で表す。
有機化学の友人の世界では、「美しい反応式」というのがあるという。

こういう瞬間は最高に興奮する。
私たちしか知らない美味しそうな果実。
今手を伸ばせばもぎ取ることができるかもしれない。
でも、もしかしたら世界のどこかで、独立に同じことを考えている研究者もいるかもしれない。
だから、「見えない相手」とこれから競争することになる。

ラボを率いるリーダーとして大切なのは、学生やスタッフのモチベーションを下げることなく、互いの協力と競争を進めてもらうように計らうことだ。
「自分のおもちゃが面白い」と気が付いた学生は、それが誰かに取られそうな気がしたらきっと嫌がるだろう。
でも、これだけ大きな「ヤマ」は、学生一人ではとても難しい。
きっといろいろ不満に思うだろうが、それは近い将来に良い論文がpublishされたときに帳消しにしてもらうしかない。
どのように結実するか、私の技量も問われている。
頑張らねば!
by osumi1128 | 2005-05-08 19:06

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


by osumi1128
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31