北大CoSTEPシンポジウム
2007年 03月 17日
やはり北国ですね。
荷物を預けたり、駅でもたもたしていたので、快速エアポートとタクシーで北大理学部5号館に辿り着くと、もう12時過ぎ。
本日は、CoSTEPの作品発表とシンポジウムにコメンテーターとして呼ばれて北大にやって来ました。
この振興調整費人材育成プロジェクトは、「科学技術コミュニケーター養成ユニット」として昨年度から立ち上がったものですが、ときどき5号館のつぶやきさんや科学技術コミュニケーションブログでも活動が取り上げられていて、実際にどんな具合なんだろうと、とても楽しみにして来ました。
本科に属する方は、毎週土曜日に、演習、講義、実習をこなし、選科の方はE-learningと集中講義・演習で科学技術コミュニケーションを学んでいます。
本科では「ラジオ班」「ウェブ班」「カフェ班」に分かれて、それぞれの作品を作成してきて、今日はその発表会ということでした。
科コミの人材育成コースは他に東大と早大でも同時期に立ち上がったのですが、北大のものが一番活発な活動をしておられると思います。
とくに、「かがく探検隊コーステップ」という子供向けサイエンスバラエティーのラジオ番組作成は、まったく他にはない取組です。
特任教授のK本先生が元NHKということもあってのことだと思われます。
サイエンス・ライティングに関しては東大も早大も力を入れているように思いますが、CoSTEPでは「さっぽろサイエンス観光マップ」というサイトに記事をアップしていくということを続けており、また、受講生が互いに互いの文章を添削し合うのもweb上で行っているのがユニークだと思いました。
このあたり、東北大のサイエンス・エンジェルの今後の活動に取り入れてもよいことかなと思いました。
SAがどんな研究をしているのかを紹介するサイトがあるとよいのでは、という意見がSA自身からも出ていましたので。
カフェは駅前の紀伊国屋さんの1階、インナーガーデンというところで100名規模のものを行っているようです。
カフェのチラシもセンスの良いデザインですし、参加者からの質問の書かれたカードをホワイトボードに貼りだして分類し、適宜使うようにしているのは良い工夫だと思いました。
こちらも、来年度にSA企画でカフェを行う予定がありますから、コアSAは一度見に来てもよいかもしれません。
中学生対象の「ジュニアカフェ」という企画も面白いと思いました。
将来の進路をそろそろ考え出す中学生や、その親御さん、先生方というのは、科学技術コミュニケーションを考える上でも、進路指導という意味でも重要なターゲットですので。
それから、小学校や高校に出前授業に出向いているようでしたが、こちらも是非ノウハウを学びたいところです。
35名の小学生に対し、CoSTEPersが5,6名という贅沢な配置で、これなら楽しく手厚い授業ができそうですね。
他に、広報誌や進化に関する本の出版なども今年度の事業として為されたとのことでした。
「科学技術コミュニケーション教育を考える」というパネルディスカッションでは、「CoSTEPersの将来は? どんな風に学んだことが活かされるのか?」という、まだ2年目なのですが、ちょっと厳しい質問をさせて頂きました。
私は、「科コミが打ち上げ花火に終わってはいけない」と強く思っておりますので、ボランティア精神だけで燃え尽きてしまわないような仕組みを根付かせていくことを意識しておく必要があると感じています。
1年目の本科卒業生で、「科コミの請負」をする会社を立ち上げた方がおられたり、北大の職員として広報関係に活かしているような方もいるというお話は、とてもencouragingだと思いました。
研究機関の広報室などもありますが、「これからは学会等が科学コミュニケーションを率先すべきで、そういうところに出口を作る必要がある」ということも意見として述べておきました。
その後、総長先生からの修了証授与があり、さらに、卒業生、CoSTEP応援団を含む参加者による懇親会が開かれました。
M姫さんのブログにときどき出てくるケイタリングのお店なのだと思いますが、盛りつけも春っぽく、お洒落なお料理でした。
お開きの後、CoSTEPアドバイザーでもある5号館のつぶやきさんの研究室を見学(今回の件はつぶやきさんからのお声がけでした)。
カエルグッズの集積度はかなりのものでした。
捕食者がいるとミジンコの発生形態が変わり、トゲができる、というお話を初めて知りました。
捕食者から何らかの化学物質が出ていて、それが卵に作用するようです。