カリメラ(ギリシア語で午前中のhello)

チェックインすると、真っ先にトランクの中身をほぼすべて部屋の中に仕舞うのが習慣になっている。
服はハンガーに掛け、引き出しに入れ、洗面用具を洗面台に並べ、コンピュータをデスクの上に置いて電源につなぐ(これは比較的最近の習慣)。
旅行用の時計は枕元のテーブルに(今回は電池切れなので意味なし)、アクセサリーを入れるトレイはデスクか他のテーブルに(今回は忘れてしまったので、部屋に備え付けられていた灰皿で代用)。
そうすると、初めての部屋でも馴染める空間になる。

このホテルはインターネットのアクセスがあまり良くなく、ホテルのロビーにあるコンピュータに接続されている回線を自分のPB12につないで使うことになった。
そのために、朝6時代から順番待ちである。
まあ、いろいろな不便があることを楽しむのが旅のコツかもしれない。

ご存じのように、地中海エリアはヨーロッパ屈指のリゾートである。
陽光溢れる景色はとくに北ヨーロッパに棲む人たちにとっての憧れであることが、仙台に移ってよく分かるようになった。
温暖化で東京以西はトロピカルだが、仙台の夏は涼しい。
至適温度の低い私にはとても快適なのだが、やはり春は待ち遠しいし、お日様を浴びたいという気持ち
になる。

ミーティングがあるのはサントリーニ島のティラという地域。
ホテルから会場のカンファレンスセンターまで歩いて約15分の間にレストランや土産物屋が並んでいて、観光地の賑わい。
小高い丘にカンファレンスセンターがあるのだが、石畳の階段が多く、結構なエクササイズ。
ロバが人や物の運搬に使われるので、そこここに落とし物がある。

カンファレンスセンターあたりからは絶景のエーゲ海が望める。
聞くところによると、1650BC(!)頃に火山の大噴火によって、この島がすべて火山灰で埋め尽くされたという。
カンファレンスセンターには博物館が併設されていて、当時の壁画のレプリカが展示されている。

壁画には横向きの人物像が多い。
エジプトの壁画のような感じ。
実際、アテネの空港でさんざん待っている間、人々の顔を眺めていたが、そのまんまクレオパトラのような人がかなりの頻度でいたのは初めての経験。
他のヨーロッパとはまた違う独特の雰囲気。
日本人の顔を見て、横顔を描く画家がいなかったのは自然のことであろう。
こちらでは「ギリシア鼻」や大きく見開かれた眼などが横からでもよく分かり、逆に正面像は描きにくかったのかもしれない。

今回の会議Cortical Development(大脳の発生)は日本人研究者の参加がかなり多い。
200人くらいのうち15名近くはいる。
普段海外の学会ではほとんどご飯時は外国人と食べていたが、今回はどうしてもaffinityの違いによりaggregationができて、日本人との親睦を図ることになった。
留学の機会を逸したせいもあって、若い頃は必ず外国人と英語で喋って情報収集し、自分の名前と顔を覚えてもらうのだ、という意気込みで海外の学会に出ていたが、最近はややそういうツッパリが少なくなったのかもしれない。
それでも絶対に必ず質問はすることにしているし、coffee breakやlunchはだいたい流れで外国人と一緒に話をする。

さて、少し触れたが、今回はこの春に学位を取ってドレスデンに留学した元学生(1名に限定)も参加しており、ちょうど論文の再投稿について打ち合わせができた。
4月からドイツに行ってたった1ヶ月余なのだが、ずいぶん成長したように思えた。
大学で研究をし学生を育てている身として、嬉しいと思う瞬間であった。



たくさん写真も撮ったのですが、荷物を軽くするためにコンピュータに取り込むデバイスは置いてきました。
帰国したら画像をアップします。
by osumi1128 | 2005-05-14 13:40

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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