ホワイトボードの使われ方現況報告

直接のきっかけはGoogle本社の様子をテレビで見たことなのですが、ディスカッション用に実験室にもホワイトボードが必要だと思っていて、先日、中廊下に180cm巾のホワイトボードを設置しました。
いろいろ面白い使われ方をしていて、「日直:○○」などの懐かしい書き込みもありましたし、こんな感じでディスカッションにも使われているような様子です。
ホワイトボードの使われ方現況報告_d0028322_23485699.jpg

巷の情報によると、このホワイトボードの書き込みの更新を一番楽しみにしているのは、実は試薬等の業者の営業さんとか。

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頂いた本で『トンボとエダマメ論 何が夢をかなえるのか』(猪口孝著、西村書店2007年)というものをほぼ読み終わりました。
猪口孝氏は国際政治学者であり、猪口邦子先生の旦那さんでもあります。
もちろん多数の専門書を書かれているのですが、この本は一般向けというスタンスです。
「トンボとエダマメ」が何を意味するのか書いてしまったら読む楽しさがなくなりますので、それは御法度として、うーーーん、やっぱり、ソレ相応のお年になると「若い方向け」に何か言いたくなるものなのでしょうね。

それはさておき、教育問題についての提言で言えば、猪口孝先生は「英語重視」のお立場のようです。
このブログでも数回述べましたが、私は、基本的に英語の重要性を軽んじているつもりはありませんが、小学校で国語(や他の)授業時間数を削ってまで全員に英語を教えるべきとは思っておりません。
母国語の文法を自在に操れるようなシステムが脳内に確立する以前に、英語の文法を教えることの是非についてはすでに論じられているところです。
強いて言えば、余力のある生徒に対して英語を聞き取るようなオプションの授業はあっても良いと思いますが(それは義務教育ではありませんが)、全員の生徒を対象に小学校で英語教育を導入することに対しては、私は反対の立場です。

註付記) 猪口先生ご自身も、どの段階で英語教育を導入すべきかについては、考慮すべきと書かれています。また、大学の授業の半分くらいを英語で行ってはどうか、ということも言われていて、こちらについては、ライフサイエンス系分野や情報系などはとくに、英語で行ってもよいのではと私も思います。実際、アジア諸国ではそうですので。

基本的に母国語でのディベートができるだけの素養を身につけた上で、中学校からの英語の義務教育というのは理に適っていると思うのですが、如何でしょうか?
つまり、話す中身や立場がないのにただ流暢に英語を話せても、意味はないと思うのですが。

誤解のないように申しますが、私自身は英語でのコミュニケーションが、いわゆる理系でも大事であることは百も承知で、うちの研究室でもその線に沿った取り組みをしています。
ただ、小さい子供達がまず習得すべきは、まず国語であり、次に算数であると信じています。
理科にしろ社会にしろ、それらは「国語」と「算数」の理解や概念無しには教えられないと思うのです。
しかも、それは、視覚的な情報だけでなく、聴覚的な情報という意味でも重要です。
とくに、聴覚的情報は視覚よりも処理時間がかかるものであり、記憶力を必要とし、そのトレーニングはその上に知識を積み上げるための基礎になると思います。
by osumi1128 | 2007-04-21 00:19 | 雑感

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