Women in Life Science

19th FAOBMB Seoul Conferenceの最終日午後に開催されたWomen in Life Scienceというセッションで30分の講演をしました。
このセッションの主催はWomen's in Bioscience Forumというfoundationだったのですが、English頁が見あたりません(涙)。
聞くところによると、会員数が800人くらいで、一般会員の会費が$100くらいとのこと。
大きなスポンサーは化粧品会社のロレアルのようでしたが、見ましたらTAKARAの韓国支社も入っていますね。

さて、ランチをご一緒した後、セッションが始まりました。
プログラムはこちらにありますが(中身は英語)、まず最初に話されたのが、National Institute for Supporting Women in Science and Technology (NIS-WIST)という組織のPresidentのJOHN, Gil Ja博士で、韓国のS/T業界における現状やポリシーについて話されました。
それによると、韓国では最新の統計ですでにS/T分野の女性研究者は13%を超えたらしく、ということは「だったら、日本はビリ!」ということになるので、ちょっと慌てています(低いレベル・・・涙)。
たいへん立派な本『Advancement of Women in Science and Technology: A Case Study of Korea』も出されており(ISBN 89-7300-703-3)、韓国がかなり本気で女性研究者問題に取り組みつつあることが伺われます。

その次の講演者であるJennifer Graves博士は、性染色体の研究者で今はカンガルーのゲノムプロジェクトなども行っておられるようですが、2006年のロレアルーユネスコ賞受賞者でしたが、とてもユーモアのある講演をされました。
ご自身がPublic Understandingにとても力を注いでいるということがよく分かりました。
「男女は、nature
その後、私の講演だったのですが、基本的には昨年のIUBMB@京都での講演に加え、東北大学のモデル事業の話も加えました。
私が韓国の現状をよく知らなかったように、先方も日本の現状を知らず、「いろいろな統計もあり、非常に有意義だった」と主催者側の何人もの方に言われました。
今後、ビリ同士仲良く、お互いにwin-winになるようにうまく「外圧」を利用して進められたらよいかもしれません。

休憩をはさんで、後半はよりscientificなセッション。
まず岡崎恒子先生の人工染色体のお話があり(Okazaki fragmentのお話は出てきませんでした。残念)、次はKorean Insitute of Science and Technology (KIST)のMyeong-Hee YU博士によるプロテオミクスのdrug discoveryへの応用について。
彼女は1998年にロレアルーユネスコ賞を受賞されています。
最後は、ソウル大の生物学で初めての女性教授であるJung-Hye ROE博士のバクテリアの酸化ストレス応答のお話でした。

その後、ロレアルがスポンサーになって着席のディナー。
WBFのメンバーも数十名参加されていました。
私の席の右隣が、ソウル市内にある私立大学の薬学の名誉教授の女性、左隣がDr. YUで、さらに同じテーブルにDr. ROEと、FAOBMBの事務局の男性教授もご一緒でした。
今日は韓国料理。ワインは赤のみ。まあ、韓国料理には白ワインは合わせにくいでしょうね。
でも、何故、ビールではなく赤ワインなのか、聞き損ねました。

外国人は私一人だったので、かなりの会話が韓国語でなされ、molecular biologyとかtransgenic miceなどの専門用語の英語しか聴き取れなかったので、ときどきこちらの聞きたいことを会話の流れとは関係なく勝手に聞いていました。
「ちょっとデリケートな話題ですが、ファン・ウソク博士の問題について、皆さんはどのように考えておられるのですか?」という質問をしますと、
「彼は、市民や政府の要人に対して非常に説明が上手く、パーソナリティーも素晴らしく、唯一良くなかったのがサイエンスだ」
「ファン博士は獣医としての生殖補助技術は素晴らしい方だったのでしょうが、分子生物学や生物学はまったく分かっていなかったのだと思います」
「幹細胞を応用した再生医療に期待する患者の団体の力も大きかったのでしょう」
というような答えが返ってきました。
私の英語の聞き取りが確かなら、同席した男性教授は、捏造のチェックの委員会に関わったらしく、「とある免疫染色のコントロールの画像は、よく見ると、同じ画像をただ暗くしただけだった」というような指摘をされていましたが、この手の「コンピュータ捏造」はかなり多くのケースに関わっていますね。
(この点については、昨年、毎日新聞の「論点」に寄稿しました。→こちらに元原稿を掲載しています。)

という訳で、共同参画関係等では収穫のあった2日間@ソウルでした。
宿泊先のホテルと会場を車でアテンドして下さったJeongsil HA博士に感謝。
そもそも、今回のトークを振られた塩見先生@徳島大にも御礼申し上げたいと思います。
ソウルは3回目なので、今回はまったくどこにも行きませんが、これだけ近い国なので、きっとまたいつかチャンスがあるでしょう。

明日は6時起き・・・(涙)。
by osumi1128 | 2007-05-30 23:18 | 科学技術政策

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