東北大学女性研究者交流フォーラム終了御礼

お陰様で、杜の都女性科学者ハードリング支援事業および21世紀COE「男女共同参画社会の法と政策」の主催による東北大学女性研究者交流フォーラムは無事に終わりました。
任命式に参加して下さったサイエンス・エンジェルの皆さん、辻村COE、高度技術経営人財キャリアセンター関係者の方々、本当に有難うございました。

井上総長がご欠席となり、野家副学長(男女共同参画担当)の開会のご挨拶に始まり、仙台市副市長の奥山恵美子様からのご来賓ご挨拶は、さすが母校の後輩に向けたものとして、心が温かくなるものでした。
また、文科省科学技術・学術政策局長の森口泰孝様からもご挨拶を頂いて、東北大学の取り組みについて励ましを受けました。
基調講演は、お一人目が登山家の今井通子先生で、アルプス登頂から環境問題まで含めたお話で、二人目はお茶の水大学学長の郷通子先生で、お茶の水大学の取り組みのご紹介や、ご自身のキャリアパスをご紹介されつつ、女性研究者へのエールを頂きました。

コーディネーターを務めましたパネル討論では、COE関連の先生として教育学研究科の生田久美子先生、矢野恵美先生に、キャリア塾関係では高橋富雄産学連携本部副本部長と第一期生の星野さん、第二期生かつSAの原さんに参加頂き、女性研究者のキャリアパスという観点からの問題点等について議論を深めました。
生田先生の指摘された「Chilly climate」という言葉は、あからさまではないけど冷たい雰囲気が女性研究者のキャリアパスにネガティブな影響を与えていることを思い起こさせました。
高橋様からのご指摘で、「待っているだけでなく積極的にアピールすべき」という点は確かにもっともで(男女問わず)、ただ、そうやって頑張っている若い女性が「でも、いつ子供を持ったらよいの?」という素朴な問いには答えられていないように思いました。
パネル討論のまとめとしては、「現状のハードルをみんなで倒しながら越えていく(ハードリング)ことによって、ハードルそのものを無くしてしまおう!」というメッセージで締めくくりました。

閉会の挨拶は今朝9時にイギリスから戻って成田に到着したK先生からでしたが、「サイエンス・エンジェルには是非<多様な>ロールモデルとして活躍して下さい。」というメッセージで締めくくられました。

そもそも「東北大学女性研究者交流フォーラム」と銘打っており、基調講演の布陣も上記のような具合ということもありまして、参加者のかなりの部分が女性であり、本当は「是非、男性に聴かせたい!」ということもあった訳ですが、そのためにはまた違った作戦なりお膳立てなりが必要で、今回は仕方ないかと思っています。
本当は、男性にこそ「多様なロールモデル」が必要であり、「24時間働ける」ことが理想のモデルという価値観にのみ縛られていては、イノベーションもおぼつかないのではないでしょうか。

ともあれ、大きなイベントが一つ片づいて、ほっとしています。
そういえば、高校生のときは文化祭委員をしていたのでした。
当時も、出演者の交渉やら、パンフレットに載せる広告を地元の商店街のお店にお願いしに行ったりなどをしておりました。
若いうちの経験はいろいろと役に立つものです。
なるべく学業以外のことも経験すべきとつくづく思います。
by osumi1128 | 2007-06-10 00:03 | 東北大学

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