眠りの悩み相談室

明日、名古屋大学で開催される第5回男女共同参画学協会連絡会シンポジウムに出席するために名古屋入りしました。
東京で2人ほど訪問するために、今回は新幹線乗り継ぎです。

今日ご紹介するのは著者からご恵贈頂いた『眠りの悩み相談室』(粂和彦著、ちくま新書)です。
先日、瀬名さんの講演の中で、「本読み」と自称する方々の大半はいわゆる「小説読み」ということでしたが、うちの父などは歴史から自然科学から、いろいろなジャンルのものを次から次へと借りてきているようです(歩いて数分のところに区の図書館あり)。
私の場合は図書館から借りるより、最近は贈って下さる本を読むので精一杯の観がありますが(苦笑)、お陰で種々の本を読む機会があります。

粂さんはショウジョウバエを用いた睡眠の基礎研究を続けておられるとともに、元々医師免許も持っている方なので、内科医としての診療もされています。
『時間の分子生物学』(講談社現代新書)で講談社出版文化賞を受賞されたくらい、とても読みやすく分かりやすい文章を書かれます。

本書も「眠りについての悩みを抱えている方」を読者対象としていますが、単なるノウハウ本ということではなく、眠りのメカニズムを丁寧に説明するところから始まっているのが信頼度を高めていると思います。
とくに、睡眠薬の飲み方などは、タイミングを間違えるとかえって逆効果、ということですので、要注意ですね。

幸い、私自身はあまり眠りの問題とは無縁で、移動中の乗り物で仮眠できますし、もし朝早く目が覚めたら(夜、なかなか寝付けなかったら)ラッキーと思って、いろいろな構想を考えるようにしています。
昔、ボスが「君ももっと年を取ったら、眠れない辛さが分かるよ」と仰ってましたが、今のところまだ大丈夫。

ただ、うちの研究の中で昼夜リズムに関することを始めましたので、睡眠の話はより一層興味の対象となりました。
粂さんの説明によれば「脳の疲れを取る」ために眠りがあるとのことですが、そのあたりのところをもう少し具体的に研究しているところです。
by osumi1128 | 2007-10-04 23:16 | 書評

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