工学研究科にて講義

久しぶりに工学部のある青葉山キャンパスまで上ったら、もう街路樹が色づいていました。
やはり平地にある医学部キャンパスとは温度差がありますね。

さて、工学研究科で講義を...聴きに行きました。
たまに「生徒」の立場になってみるのは新鮮でいいものです。
今日の先生は東北大学の客員教授である田中耕一先生。
講義のタイトルは「工学(・理学)を医学(・薬学)に活かす」というものでした。
内容は「質量分析画像法によるパラフィン包埋切片の新規開発法」という論文(Proceedings of the Japan Academy, Series B, 83(7), 205-214, 2007)の紹介というスタイルをとりつつ、学際・異分野融合的研究をいかに行うか、というようなスピリッツをお話し頂きました。

ヴィジュアル系の技術は好きなので、いわゆるmass spectroscopyでイメージングできる(可能性がある)なんて、画期的!と思います。
講義では「まだまだ解決しなければいけない課題」として、
臨床的意義のある疾患マーカータンパク質の検出
解析、微量タンパク質検出を可能とする更なる前処理の検討
サンプル数を増やし統計的意義のあるマーカー探索解析
(講義配布プリントより)

などを挙げておられました。

今回の講演の情報は事務からの大学院生向け出席調査で知り、「私も聴講できるでしょうか?」という問い合わせをしたところ了承されたのですが、周りは大学院生ばかりかと思えば、そうでもなく、さほど目立たずに済みました。
でも、「適宜、途中でも質問してください」と言われているにも関わらず、誰も質問しないので我慢できなくなって、途中で手を挙げてしまいました(苦笑)。
田中さんは「いろいろなところで講義やセミナーをしますが、東北大の方は温和しいですね。自分も学部の頃にはそうだったので、よく分かります」と仰ってました。

田中さんの語り口はあくまでソフトで、聴衆の若い方達と近い目線でお話しされていたのが印象的でした。
ノーベル賞学者と同じ出身校で学べるなんて、東北大学の学生さんは幸せですね。
米英の有名大学なら当たり前のことかもしれませんが。

スライドの最後のまとめの図は、「質量分析法にいかに他分野の研究が関わっているか」というものでした。
その内容は島津のMLDI-MS Technical Reportsの2007年6月号にも載っていますので、興味のある方はどうぞ。
それから、電気情報通信学会誌の2007年9月号に、田中さんと伊達達夫先生(電気情報通信学会の平成18年度会長)との対談が掲載されていますが(講義の配布資料となっていました)、「田中流研究の作法」を知りたい方は是非お読みになるとよいでしょう。
世の中に「分からないことはたくさんある」というメッセージに溢れています。

午後は国際高等教育院の方の講義とのことでした。
田中さん、講義を有り難うございました。
* ****
いよいよ明日は学術会議主催のシンポジウムです。
どんな展開になるのか、ちょっと緊張しています。
5号館のつぶやきさんのところのエントリーにおけるコメント等もしっかり目を通した上で臨んできます。
by osumi1128 | 2007-10-18 00:54 | 東北大学

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