骨髄幹細胞移植治療
2007年 11月 05日
脳梗塞の治療に、患者さんの骨髄幹細胞を用いるという治療は、今年の1月から札幌医大でなさ得ているもので、骨髄液を採取した後、幹細胞を集めて、1万倍に増やしてから静脈注射します。
え? それだけ??? というくらいシンプルなのですが、番組では治療後5時間の脳画像で、すでに梗塞部位が縮小し、翌朝、今まで動かなかった左手の指が少し動くようになった、というのです。
その後もどんどん回復し、数ヶ月後に退院する頃までには、支えがなくても歩け、割り箸も両手で割れるようになっていました。
治療効果は、1)骨髄幹細胞が脳の細胞に神経栄養因子を与える、2)骨髄幹細胞から血管新生因子が放出され、梗塞部位に脳血管が新生する、3)骨髄幹細胞が脳の細胞になる、と説明されていたのですが、3)は本当かどうか、ちょっと疑わしいかもしれません。
また、もしかすると、「脳の細胞」といっても神経細胞(ニューロン)ではなく、グリア細胞の方に働きかけている可能性もあるのではと思いました。
(あくまで、番組を観ての感想です。学会発表を聴いたり論文を読んだりした訳ではありませんので)
札幌医大の脳外科の先生は「今後、移植した骨髄幹細胞が癌にならないかどうかなど、2年くらいは経過を追う予定」と話しておられました。
すでに8例の治療を行っているとのことですが、そのうちの何例が回復したのかについては、あまり明確には報道されませんでした。
心筋梗塞の方はドイツの症例で、こちらはカテーテルで心臓に行く血管に骨髄幹細胞を移植していました。