CREST市民公開シンポジウム2007
2007年 11月 09日
先日、蔵王に紅葉を見にいったときのものです。
うちの秘書さんが撮ってくださいました。
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中学時代になりたかった職業は雑誌の編集者だったのですが、当時「プロデューサー」という言葉を知っていたら、その方がさらにぴったりだったのかもしれません。
でも、先日、「プロフェッショナル」で漫画の編集者が取り上げられていて、それを見ていましたら、自分が論文指導しているのと同じだなあと感じました。
若い人の才能をどんな風に開花させていくか、結構細かいところまで注文を付けて、エンカレッジして、それを楽しんでいるように見えたので。
大学院から助手時代にお世話になったボスからは、「仕事の流儀」をたくさん教わりました。
「一度に2つの新しいことを始めないこと」「陣地は大きく取れ」「水を飲みたくない馬を川辺に連れて行っても駄目(中国故事ですが普遍的)」「ネガティブで相手に伝えるのが躊躇われることこそ、なるべく早く伝えるべき」などなど、いろいろあるのですが、たぶん、一番大切だったことは「時間の計算の仕方」なのだと思います。
大隅君、人は自分が死ぬということを意識しないで生きているけど、それは大きな間違いだ。人は必ず死ぬ。だから、自分の持っている時間は有限だ。それをどう使うか考えなさい。
これを受けて、学生さんやポスドクの人に必ず言うのが「人間、唯一平等なのは、皆、一日24時間しか持っていない」ということです。
人の性格や才能はそれぞれ異なる訳ですが、誰しも24時間しかないという限られた条件に置かれているとも言えます。
あるいは逆にだからこそ、時間をどんな風に使えるかが、積み重なって大きな違いになるのだと思います。
時間を逆算できる、というのが大きな鍵だと思っています。
設定した締切からどんな風に逆算できるか、ゆとりを組み込んだスケジュールにしておいて、順調だったら仕事が前倒しにできてラッキー、というご褒美があること(突発的な何かがあっても、ゆとりの部分で吸収できること)、時間を長さによってユニット化して、その長さに合わせた作業をすること、などなど。
うちのボスはそこまで細かいことは言わなかったのですが、私の場合はつい言ってしまいますね。
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さて、明日はCREST第3回脳学習・公開シンポジウムのトップバッターで講演をします。
900名を超える事前参加登録があったとのこと。
関心の高さを感じます。