博士キャリアパス問題:マスメディアの扱いは相変わらず一方的
2007年 12月 04日
医学部キャンパスの広葉樹も赤や黄色でとても綺麗です。
やはり、紅葉は気温が低い方が美しいように思われます。
街もクリスマスの飾り付けが多くなったので、トップ画像を変えました。
プリザーブドフラワーのアレンジです。
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フューチャーラボラトリーの橋本さんから
先日、東京新聞の取材を受けたのですが、本日掲載いただきました。
「博士号”難民”1万2000人の嘆き」
というメールを頂きました。
現時点で東京新聞のオンラインには掲載されていないようですので、中身についてはこちらの橋本さんのブログをご覧下さい。
これまで、博士号を持った人や博士研究員という存在はあまり身近ではなかったと思いますので、ここ1年くらいの間、マスメディアがこの手の話題を取り上げてくださることには一定の意味があると思っています。
ただ、どうも記事が紋切り型に思えるのですね。
あるいは、「博士は使い物にならない(人であってほしい)」という認識(願望)が
どうも記者の方にあるような気がしています。
権威の象徴である「大学」や「行政」を叩くのが新聞の王道である、という社会派記者やそういうデスクの方が大きな力を持っているのかもしれません。
ただ、公表されている資料の中から、わざわざ「これだから博士って大変、可哀相(あるいは、ざまーみろ?)」という箇所を選んで抜き取っている気がしないでもありません。
「科学記事よりも、エンターテイメントとしてはスポーツや文学や芸術の方が受ける」ので、科学者からポジティブな発信をしたいのであれば、自分でやりなさい、というお言葉を頂いたことがあります。
ブログはそれ以前から始めていましたが、「そうか、だからこそ、マスメディアに載らないことも書くのが大事」と、そのとき強く思いました。
一連の博士・ポスドク記事(あるいはTV報道)で決して書かれていない(報道されていない)ことがあります。
それは、経団連のデータでも、文科省のデータでもほぼ同じなのですが、「博士号取得者やポスドクを採用した企業」は「6-7割は満足」しているというものなのです。
残りの3割程度は(その回答を行った担当者が)「わからない」であって、「期待を下回る」ではありません。
詳しくはこちらのエントリーおよび実際の数字については文科省のwebご覧下さい。
つまり、採用した企業は「まあ満足」であり、学士の「期待を下回る」率が3割を越えている、ということは書かれないのですね。
これは公平性を欠いていると思います。